人間は成長を求め続ける ― 赤ちゃんの頃から始まる“目的”への努力
人間は生まれたときから「努力する存在」です。
まだ言葉を話せない赤ちゃんでさえ、立ち上がろうとし、歩こうとし、周囲の世界を理解しようと絶えず挑戦を繰り返します。
アドラー心理学では、これを 「人間は目的に向かって努力する」 と表現します。
精神は「動く」から存在する
人間の精神は、静止しているものではありません。
「動く」ことによって初めて存在し、その動きの先には必ず「目的」があります。
その目的とは、次のようなものです。
- 完全であろうとすること
- 優れていようとすること
- 理想に近づこうとすること
つまり、人間は本能的に「よりよく生きたい」と願い、そのために絶えず努力し続けるのです。
赤ちゃんが示す成長への努力
赤ちゃんを見ていると、この原理はとても分かりやすい形で現れます。
- はじめは寝返りを打つことに挑戦する
- やがて立ち上がり、歩こうとする
- 言葉を学び、周囲と関わろうとする
赤ちゃんの成長は、決して一足飛びではありません。転び、失敗し、繰り返し挑戦しながら「できなかったこと」を「できること」に変えていきます。
この過程そのものが、人間の持つ「成長への努力」を象徴しているのです。
思考と想像力が導く努力
人間が他の動物と異なるのは、「思考」と「想像力」を駆使できることです。
ただ生き延びるためだけでなく、未来を描き、理想を掲げ、それに近づこうとする。
- 「もっと速く走りたい」
- 「もっと上手に描きたい」
- 「もっと深く理解したい」
こうした欲求はすべて「理想への努力」につながっています。
そして、この努力は幼少期に限らず、一生涯にわたって続いていくのです。
成長を続ける人間の本質
アドラー心理学が教えてくれるのは、「人間は生まれた瞬間から最後の瞬間まで、成長を求める存在だ」ということです。
その努力は不完全さを出発点とし、理想を目指して続いていきます。
だからこそ、挫折や失敗さえも「成長の途中の一部」として捉えることができるのです。
まとめ
人間は赤ちゃんの頃から絶えず成長を目指して努力する存在です。
精神は「動くこと」によって存在し、その動きの先には「完全」「優越」「理想」といった目的があります。
思考と想像力を使いながら、人間は生涯にわたって成長を追い求めるのです。
だからこそ私たちは、どんな状況でも「まだ成長できる」と信じ、前に進む力を持ち続けられるのではないでしょうか。
