なぜあの人は信頼されるのか?「正直者」を超える「誠実な人」になるための条件
「私は嘘をついたことはない。だから信頼されて当然だ」 「事実をありのままに話しているのに、なぜか相手が納得してくれない」
そんなふうに、「正しさ」を主張しても人間関係がうまくいかず、モヤモヤした経験はありませんか?
私たちは「正直であること」と「誠実であること」を同じ意味で使いがちです。しかし、世界的ベストセラー『7つの習慣』の著者コヴィー博士は、この2つは似て非なるものであり、**「誠実さは正直以上のものである」**と断言しています。
この記事を読むと、以下のことがわかります。
- 「正直」だけでは信頼を勝ち取れない理由
- コヴィー博士が定義する「言葉」と「現実」の面白い関係
- 誰も見ていないところでも「自分」を保つ方法
嘘をつかないだけの「良い人」から卒業し、周囲から深く信頼される「誠実な人」へ。 そのステップアップのための思考法を解説します。
「正直」はレポーター、「誠実」はクリエイター
まず、この2つの言葉の定義をはっきりさせましょう。コヴィー博士の説明は非常に哲学的で、かつ美しいものです。
1. 正直(Honesty):現実に言葉を合わせる
これは、起きた事実(現実)を、ねじ曲げずに言葉にすることです。 例えば、「遅刻しました。寝坊したからです」と言うのは正直です。 ニュースキャスターが「今日は雨が降っています」と伝えるのも正直です。
つまり、正直とは**「現実の後追いで、事実を正確に伝えること」**です。
2. 誠実(Integrity):言葉に現実を合わせる
こちらは逆です。まず言葉(約束・目標)があり、それを実現させるために現実を変えていくことです。 例えば、「9時に行きます」と言ったら、何が何でも9時に着くように行動すること。 「このプロジェクトを成功させます」と宣言し、それを成し遂げること。
つまり、誠実とは**「自分の発した言葉通りに、未来の現実を作り出すこと」**なのです。
なぜ「嘘をつかない」だけでは足りないのか
「嘘はついていないよ。でも、できなかったんだから仕方ないじゃないか」 こう開き直る人は、「正直」かもしれませんが「誠実」ではありません。
- 正直な人: 「すみません、できませんでした(事実の報告)」
- 誠実な人: 「やると言ったからには、這ってでもやる(約束の履行)」
ビジネスや人間関係において、本当に信頼されるのはどちらでしょうか? もちろん後者です。
相手の期待に応え、約束を守る。 「あの人が『やる』と言ったなら、それはもう『事実』と同じだ」 周囲にそう思わせる力こそが、誠実さの正体なのです。
裏表のない「統一された人格」が必要
では、どうすれば「誠実な人」になれるのでしょうか。 コヴィー博士は、そのためには**「裏表のない統一された人格」**が必要だと説いています。
誰に対しても、自分に対しても同じ態度で
「上司には調子のいいことを言って約束を守るが、部下との約束は平気で破る」 「人前では立派なことを言うが、私生活ではだらしない」
このような「二面性(裏表)」があると、言葉に現実を合わせ続けることは不可能です。どこかでボロが出ます。 誠実(Integrity)の語源は、「Integer(整数・完全なもの)」です。つまり、欠けたり割れたりしていない、一貫した状態を指します。
- 誰も見ていないところでも、自分との約束を守る。
- 相手が誰であっても、態度を変えない。
この「芯の通った生き方」ができて初めて、あなたの言葉には重みが生まれ、「言葉通りの現実」を作り出すパワーが宿るのです。
まとめ・アクションプラン
「正直」は過去の報告ですが、「誠実」は未来への責任です。 言葉を現実に合わせる(有言実行)生き方は、エネルギーが要りますが、それこそが真の信頼を築く唯一の道です。
今回のポイントをまとめます。
- 「正直」とは、事実に嘘をつかないこと(現実に言葉を合わせる)。
- 「誠実」とは、約束を守り抜くこと(言葉に現実を合わせる)。
- 裏表のない一貫した人格がなければ、誠実さは保てない。
今日からできる、誠実さを磨くトレーニングを提案します。
Next Action: 今日、**「自分自身に対して小さな約束」**を一つして、それを意地でも守ってください。 「今日はエレベーターを使わず階段を使う」 「寝る前に5分だけ読書をする」 誰に言う必要もありません。自分に言った言葉(約束)に、行動(現実)を合わせる練習です。その成功体験が、あなたの「誠実さ」の筋肉を鍛えてくれます。
より深く「誠実さ」や「人格の磨き方」を学びたい方は、世界中で読み継がれている名著**『7つの習慣』**(スティーブン・R・コヴィー著)を手に取ってみることを強くおすすめします。小手先のテクニックではない、本物の人間力を養うバイブルになるはずです。
