断るべき? 行くべき? ビジネス書100冊読んだら「誘われた時の正解」がカオスだった話
嫌な頼みをどう断る? ビジネス書は真っ二つに割れていた
生きていれば、気が進まない誘いや頼まれごとは無限に降ってくる。
・行きたくない飲み会
・無茶ぶりの仕事
・なぜ呼ばれたのか分からない登山
社会人なら誰しも、毎日こんな問題に直面しているはずだ。
そんな時、ビジネス書はどんな助言をしてくれるのか。
まずは王道。「嫌なら断っていい」
リラックス系の定番アンサーはこれ。
できないことは、できないと言っていい。
『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本』p.152
これは全人類が救われる名言だ。
この教えのおかげで、世の中の優しい人々の寿命は伸びているとすら思う。
しかし、リラックス系があれば、必ず存在するのが——
真逆の「ストイック系」。お誘いは断れない!?
たとえばこれ。
「2ランク上の人」からのお誘いは、
「もちろん行きます」以外言ってはいけない。
『年収1億円になる人の習慣』p.150
つまり、
2ランク上の人 > あなたの予定・気持ち・場所・物理法則
ということらしい。
著者は実際に、
- 出張で新潟にいた
- 2ランク上の人から電話が来た
- 3時間後に東京へ駆けつけた
と書いている(p.151)。
精神力の消耗がすごい。
僕はこのルールに従わなくていい人生を選びたい。
「断っても嫌われない」派も再登場するが…
『賢く「言い返す」技術』は、また王道の意見を出してくる。
相手の要求を呑まなくたって嫌われはしない(p.221)
平和だ。
人間関係の酸素ボンベみたいな一言だ。
しかし、この本……
具体例が強烈だった。
登山に誘われたら「ケーブルカーで行って待つ」
例として出てきたのがこちら。
友人に「みんなで登山に行かない?」と誘われたら
「私はケーブルカーで行って、山頂で待ってるわ」
と言えばいい。
『賢く「言い返す」技術』p.223
いや、感じ悪い!!
僕ならその人を二度と誘わない。
「要求を呑まなくても嫌われない」という主張を、見事に破壊する例である。
これが“弁証法”だったのでは?
最初は「さすがに変だろ」と思っていたのだが、
後から冷静に考えてこう思った。
これは、
- 嫌なら断っていい(リラックス系)
- 2ランク上の人の誘いは絶対に断れない(ストイック系)
という矛盾する2つの教えを融合させた、
高度な“弁証法”なのでは?
つまり——
▼弁証法的・最終回答
登山には行く(ストイック系)が、
歩きたくないからケーブルカー(リラックス系)。
両立……したのか?
したことにしておこう。
