知識よりも「知力」を蓄えよ──新渡戸稲造『修養』に学ぶ、本当に役立つ学び方
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Taka Knowledge Output
ストア派の哲人エピクテトスはこう語りました。
「うぬぼれを捨てよ。もう知っていると思うことを学ぶことはできない。」
この言葉は、学びの核心を突いています。知識や経験を積むほど「自分は理解している」と思い込みがちですが、その瞬間に成長の扉は閉ざされてしまうのです。
エピクテトスは学校を運営し、講義を行った哲人でもありました。彼の知恵が現代に伝わっているのは、弟子が残した講義録のおかげです。
しかし、彼が若い生徒たちに不満を抱いていたのは次のような態度でした。
これは古代に限らず、現代の教育現場でもよく見られる問題です。
私たちもまた、日常の中で「分かった気になる」ことが多いものです。
こうした態度は、学びの最大の敵となります。
アメリカの思想家ラルフ・ウォルドー・エマソンはこう述べました。
「私が出会うどんな人も、何らかの点で私の師であり、学べるところがある。」
これは謙虚さの極みを示す言葉です。自分より知識が少ないと思える相手からも、学ぶべき何かが必ずある。そう考えることで、学びの場は無限に広がります。
エピクテトスが言うように、「もう知っている」と思えば、それ以上の学びは止まります。
逆に、エマソンのように「誰からでも学べる」と考えれば、世界は学びの機会で満ちています。
謙虚さは、知恵と成長への扉を開く鍵なのです。