自己啓発

💸 悪徳は税金より高くつく──ベンジャミン・フランクリンに学ぶ「見えないコスト」の正体

taka

■ 「税金」は政府だけが課すものではない

1757年、ベンジャミン・フランクリンが発表した『富に至る道』の冒頭で、
“エイブラハム”という老人がオークション会場の人々に向かってこう語ります。

「税金はたしかに重い。だが、政府が課す税金だけが税金ではない。
怠け者には2倍、うぬぼれ屋には3倍、愚か者には4倍の税金がかかる。」

つまり、人は自分の行動や性格によって、自らに“見えない税金”を課しているという警告です。
この「悪徳の税金」は、国が取り立てるものよりずっと高く、誰も免除されることはありません。


■ 「悪徳の税金」とは何か?

フランクリンが言う“悪徳(vices)”とは、道徳的な罪ではなく、人生を損なう習慣を指します。
それは現代風に言えば、こんなものです。

  • 怠け心(先延ばし・やる気の欠如)
  • うぬぼれ(根拠のない自信やプライド)
  • 愚かさ(学ばない・考えない)

これらはどれもお金を奪うだけでなく、時間・信用・チャンスといった大切な資産まで失わせます。
しかも厄介なのは、これらの税金は「気づかないうちに」支払っているということ。

フランクリンが「減税も免税もできない」と言ったのは、まさにこの“自己課税”のことなのです。


■ 「怠け者」は2倍の税金を払う

怠惰は、最も一般的な“悪徳税”です。
何もしない時間が長くなればなるほど、後で失った時間を取り戻すために、2倍の努力とコストが必要になります。

たとえば、

  • 先延ばしにしていた仕事が期限間際で慌てる
  • 健康管理を怠って治療費が増える
  • 勉強をサボってチャンスを逃す

こうした「怠けの代償」は、まさに“見えない税金”です。
怠け者は政府にではなく、自分自身に高い税金を払っているのです。


■ 「うぬぼれ屋」は3倍の税金を払う

次に、フランクリンが指摘する「うぬぼれ(pride)」も、人生を高くつける悪徳のひとつ。
自分の力を過信した人ほど、判断を誤り、周囲との関係を壊します。

たとえば、

  • 人の助言を聞かない
  • 間違いを認めない
  • プライドが邪魔して学ばない

これらは目に見えない損失を生み、失敗の修正や信用回復に3倍のコストをかける結果になります。
フランクリンは「謙虚さは成功の基礎」と説き、うぬぼれこそ最も損な悪徳だと警告しています。


■ 「愚か者」は4倍の税金を払う

そして、最も重い税金を課されるのが「愚かさ(folly)」です。
ここでいう愚かさとは、学ばないこと・考えないこと・経験から成長しないこと。

たとえば、

  • お金の使い方を学ばずに浪費を繰り返す
  • 他人の失敗から学ばない
  • 同じミスを何度も繰り返す

フランクリンの時代にも、こうした人々は「運の悪い人」ではなく、**“学ばない人”**として描かれていました。
そして彼はこう諭します。

「神はみずから助ける者を助ける。」

つまり、他人や運に頼る前に、自分が努力することこそが救いであるということです。
この言葉はのちに「天は自ら助くる者を助く」として世界中に広まりました。


■ 「見えない税金」を減らす唯一の方法

フランクリンは、“悪徳税”をなくすための唯一の方法を示しています。
それが、勤勉と倹約の実践です。

怠け心を減らし、学びと努力を習慣にすること。
自分を飾らず、等身大で誠実に生きること。
これが「無駄な税金を払わない生き方」だと彼は言います。

現代に置き換えるなら、

  • SNSや娯楽に時間を奪われない
  • 浪費よりも自己投資を選ぶ
  • 知識とスキルにお金を使う

こうした日々の選択が、見えないコストを減らす最良の節税術なのです。


■ まとめ:「怠惰と過信は最高税率の悪徳」

ベンジャミン・フランクリンの『富に至る道』の冒頭は、今の私たちにも鋭く突き刺さります。

税金は政府だけが課すものではなく、私たちの行動が自分に課している負担でもある。
怠惰・うぬぼれ・愚かさという“悪徳”こそが、最も高くつく人生の税金なのです。

フランクリンの言葉を現代風に言えば、

「浪費する人は政府よりも自分に課税している。」

今日からできる節税は、努力と学びを怠らないこと。
それだけで、あなたの人生の“実質所得”は確実に増えていきます。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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