日本はあと30兆円借金できる。インフレ率が示す「正しい財政」
日本は「借金」が足りていない
「借金を減らさなければ国が破綻する」。この強迫観念が日本を覆っているが、世界の常識に照らし合わせれば、事実は全く逆であるといえる。 多くの財政学者が認めるグローバルスタンダードでは、経済成長率に合わせて借金も増やしていくのが健全な姿だとされている。今の日本が目指す3%程度の成長率ならば、年間30兆円ずつ国債を発行して借金を増やしても、何の問題もないのだ。 世界中が借金を増やして成長している中で、借金をゼロにしようとしている日本だけが、自ら経済の首を絞めるという異常な状況に陥っている。
財政規律の真の基準は「インフレ率」
では、無制限に借金をしていいのかといえば、もちろん違う。そこで重要になるのが「インフレ率」という物差しだ。 お金を刷りすぎてモノの値段が上がりすぎる(ハイパーインフレになる)のは困る。だが、逆にモノの値段が下がり続けるデフレも経済を殺す。 適切な財政規律とは、借金の「金額」を縛ることではない。「インフレ率が2〜4%に収まる範囲内」であれば、政府はいくらでもお金を発行し、国民のために使って良いのである。日本はまだこの上限に達していないため、もっと積極的にお金を供給すべき局面にある。
なぜ「適度なインフレ」が必要なのか
インフレになるとお金の価値は下がる。例えば、物価が上がれば、手元の1000円で買えるものは少なくなる。一見悪いことのように思えるが、実はこれが経済成長のエンジンになる。 お金を持っているだけで価値が目減りしていく状況下では、人々は貯蓄よりも「消費」や「投資」にお金を使おうとするからだ。お金が回れば企業の売上が増え、賃金が上がり、さらに消費が拡大する。この好循環を生み出すために、適度なインフレは不可欠なのだ。 しかし、消費増税によってお金を吸い上げすぎている現在の日本は、この健全な循環を自ら止めてしまっている。
間違ったゴール「PB黒字化」を捨てろ
財務省が掲げる「プライマリーバランス(PB)黒字化目標」は、税収の範囲内だけでやりくりしようとする「縮小均衡」の発想だ。これはインフレ率を無視し、経済の実態を見ない机上の空論に過ぎない。 政府の役割は、帳簿の数字を合わせることではなく、国民生活を豊かにすることである。間違った目標であるPB黒字化を即刻撤廃し、インフレ率を基準とした正しい財政運営へと舵を切らなければならない。日本にはまだ、復活するための余力が十分に残されているのだから。
