政治・経済

高市政権の通信簿:名目成長と実質賃金の乖離をどう埋めるか

taka

少数与党がもたらす政治の地殻変動

現在の政治状況は、少数与党による「疑似的な政界再編」の渦中にあるといえる。自民党内のリベラルから保守、そして外部の野党勢力が複雑に絡み合う中で、政策の決定プロセスが変化しているのだ。この不安定さは、逆説的に議論を活性化させる可能性を秘めている。しかし、経済政策の核心に目を向けると、依然として強固な岩盤規制ならぬ「財政の壁」が立ちはだかっているのが現実である。

「骨太の方針」という呪縛と限界

高市政権の経済政策をどう評価すべきか。専門家の見立ては「75点」という微妙なラインだ。石破政権時代よりも積極財政への意欲は見られるものの、依然として財務省主導の「骨太の方針」という枠組みの中で予算編成を強いられているからだ。 本来、補正予算とは緊急時のためのものだが、それが既定路線の前倒しに使われている感は否めない。GDPギャップ、すなわち需要不足が約20兆円存在するとされる中、この枠組みを打破し、真の財政出動ができるかが今後の焦点となるだろう。

名目成長の影で進行する実質的な貧困

日本経済の現状は、奇妙なねじれ現象を起こしている。インフレによって名目GDPは成長し、企業の売上や税収は過去最高水準にある。しかし、我々の生活実感はどうだろうか。 実質賃金は45ヶ月以上もマイナスを記録し続けている。物価は上がるが給料は追いつかず、結果として個人消費は冷え込んだままだ。名目の数字が良くなったからといって、国民が豊かになったと錯覚してはならない。これは単なる「コストプッシュ型のインフレ」による数字の膨張に過ぎない側面があるからだ。

豊かな国への回帰:マクロ経済政策の転換

かつての「株主至上主義」がもたらした弊害、つまり企業利益を配当に回し、従業員への分配を怠ったツケが回ってきている。これを是正するにはコーポレートガバナンスの改革が必要だが、それには時間がかかる。即効性があるのは、やはりマクロ経済政策、すなわち政府による積極的な財政出動と減税だ。 名目成長で増えた税収を国が抱え込まず、消費税減税や給付という形で家計に還流させること。デフレへの後戻りは許されないが、名目だけの成長で満足せず、実質的な豊かさを取り戻す政策こそが今、求められているのである。

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ABOUT ME
TAKA
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理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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