日本が衰退する真の理由。エリートを支配する「恐怖」の正体
打ち出の小槌と根源的な恐怖
もしもあなたが「打ち出の小槌」を手に入れたら、どうするだろうか。振れば振るほどお金が湧き出る夢の道具だ。一見、誰もが限界まで振り続けて大金持ちになると思うかもしれない。しかし、現実はそう単純ではない。「こんなうまい話があるのか」「いつか手痛いしっぺ返しが来るのではないか」という不安に囚われ、結局は恐ろしくて使えなくなるのがオチだろう。巨大な力には、それを使うことへの巨大な恐怖が伴うからだ。実は、今の日本政府が陥っているのが、まさにこの「小槌を持ったまま怯える子供」の状態であるといえる。
信用貨幣という現代の魔法
日本円の価値の裏付けとは何か。それは「日本という国家の信用」そのものである。政府が国債を発行し、それを合図に日本銀行が通貨を生み出す。金や銀などの現物が担保だった時代とは異なり、現代の「信用貨幣」は、原理的には無制限に生み出すことが可能だ。まさに打ち出の小槌である。しかし、政府はその強大な力を使いこなせず、暗闇の奥に潜む「ハイパーインフレ」や「財政破綻」という幻の怪物に怯え続けている。その恐怖心が、極度にお金の発行を抑制する「緊縮財政」の正体ではないだろうか。
ゼンメルワイス反射とエリートの自縛
なぜ彼らは間違いを認めないのか。19世紀の医師、ゼンメルワイスの悲劇がその答えを教えてくれる。彼は「消毒」によって産褥熱(さんじょくねつ)による死者を激減させたと証明したが、当時の医学会から激しい迫害を受けた。なぜなら、それを認めることは「自分たち医師の不潔さが患者を殺していた」と認めることと同義だったからだ。事実を受け入れることが、自らの権威と過去を全否定することになる時、人は無意識にその真実を拒絶し、攻撃すら加える。これを「ゼンメルワイス反射」と呼ぶ。今の財務省や政治家も同じだ。「財政破綻論」が間違いだったと認めれば、これまでの政策が日本を衰退させたと自白することになる。エリートのプライドが、それを許さないのだ。
嘘の崩壊と覚醒する国民
だが、嘘をつき通すことには限界がある。今の政府の答弁は、破綻した言い訳を繰り返し、支離滅裂な敗北宣言のようにすら聞こえる。財源がない、将来の負担だという言葉は、もはや誰も信じない。数々の失策と国民生活の困窮は、隠しきれないレベルに達している。嘘が飽和し、取り繕うことすらできなくなった時、権力は急速に力を失う。1億2000万人の国民が真実に目覚めれば、たかだか数百人の政治家に勝ち目などないのだ。狂った政治を終わらせるため、今こそ我々が行動する時である。
