小泉進次郎氏と“シャインマスカット輸出問題”とは?国益を損なう決定か、それとも誤解か?
多くの人が悩んでいるので今回は、自民党総裁選のさなかに浮上した「小泉進次郎氏とシャインマスカット輸出問題」について取り上げたいと思います。
小泉進次郎さんといえば、かつての“ポエム答弁”や環境大臣としての言動などで、何かと話題を呼ぶ政治家。今回も、農林水産大臣としてとんでもない話が浮上しています。それが、「日本の高級品種“シャインマスカット”の栽培権(ライセンス)をニュージーランドに付与しようとしていた」という件です。
この件、実は9月25日という、総裁選のまっただ中に報道されました。ちょうどステルスマーケティング疑惑や、自民党員の“勝手な水増し疑惑”などが報じられた直後でもあります。そんな中、小泉氏は総裁選候補でありながら、公務に専念するとして表舞台から姿を消していたのですが……実はその公務こそが、この“シャインマスカット問題”だったのです。
問題の核心はこうです。日本で長年の研究を経て開発されたシャインマスカットは、今や高級ぶどうの代名詞。しかし、その種苗が海外に流出し、無断で栽培・販売される事態が相次いでいます。こうした“盗用”を防ぐために、農水省は「正式なライセンスを与えることで、管理された形で海外栽培を許可しよう」と動いていました。その最初の対象国がニュージーランドです。
一見、理にかなっているようにも見えますが、ここに山梨県などの産地が猛反発。「輸出の体制すら整っていないのに、先に海外にライセンスを与えるのは本末転倒」「国産品と競合して、生産者が損をする」と強く抗議しています。
この抗議を受けて、小泉氏は「産地の理解が得られない限り進めない」とコメント。一部では「ほら、小泉氏は止めたじゃないか、デマを流すな」と擁護する声もありますが、話はそう単純ではありません。
実際には、農水省と小泉氏がこのライセンス展開を進めていたのは事実で、山梨県が抗議しなければ進んでいた可能性は高い。つまり、止めたのではなく、“止められた”というのが正しい見方でしょう。
さらに、そもそも日本の農作物を守るべき農水省が、「輸出できるような体制を整える」より先に、「他国に栽培させてライセンス料を得る」という手段を取ろうとしていたこと自体が疑問です。
国産のシャインマスカットは、季節限定の特産品であり、それゆえ高い価値を持ちます。しかし、ニュージーランドなど気候の異なる国で栽培が可能になれば、年中どこかで生産されるようになり、希少価値が下がり、価格も下落するかもしれません。
しかも、ライセンス料が生産者に還元される保証はなく、政府の収入になるだけでは?という懸念も残ります。
このように、表向きは「不正な流出を防ぐ」という名目ですが、実態としては「ライセンス料が欲しい」「グローバル競争を推進したい」という意図が見え隠れします。
擁護派の意見として、「小泉氏は“理解が得られなければ進めない”と言っている」とありますが、そもそも理解を得ようとしたのか?また、最初から反対していたならば、なぜこの方針を止められなかったのか?という疑問は残ります。
しかも、小泉氏はこの件に対して「計画を再検討する」と言っています。つまり“やめる”とは言っていないのです。今は見送っても、タイミングを見てまた動き出すかもしれません。
農業を支えるはずの農水省が、海外に品種を開放し、国内生産者を守る体制を後回しにしてしまっては、本末転倒。しかもその流れを進めていたのが、自民党総裁候補である小泉進次郎氏だったとなれば、事の重大さはより増します。
そしてこの問題は、単なる“農業の話”ではありません。日本の技術や文化、産業をどのように守り、発展させるのかという国家の根幹に関わる話です。
今回はたまたま山梨県知事が動いたことで止まりましたが、今後も同じようなケースが出てくるかもしれません。だからこそ、誰がトップに立つのか、その人がどんな価値観を持ち、どういう判断をするのかを、国民がしっかり見ていく必要があると感じます。
この情報が皆さんのお役に立てば幸いです。
