政治・経済

得票率2割で議席3分の2の怪奇

taka

赤旗が暴いた「熱狂なき圧勝」の正体

政党としての是非はともかく、「しんぶん赤旗」のデータに基づく取材力には敬意を表すべきだろう。かつて裏金問題をスクープし、自民党を過半数割れに追い込んだのも彼らだった。そして今回、彼らが提示したデータは、日本の民主主義がいかに歪んでいるかを冷徹に突きつけている。今回の総選挙で自民党が獲得したのは316議席、実に全体の3分の2を超える数だ。しかし、驚くべきことに、全有権者に占める「絶対得票率」はわずか20.37%に過ぎない。つまり、国民の5人に1人しか投票していない政党が、国会の憲法改正発議ラインを含む圧倒的多数を握ってしまったのである。

小泉郵政選挙を下回る得票率の謎

この数字の異常さは、過去と比較すれば一目瞭然だ。あの小泉純一郎氏が「郵政解散」で熱狂的な勝利を収めた2005年でさえ、絶対得票率は約25%だった。今回はそれより5ポイントも低い。岸田政権時の解散風が約19%だったことを考えれば、「高市プレミアム」による上積みはわずか1%程度に過ぎない。石破氏の不人気による逆風を考慮しても、自民党の基礎票は決して盤石ではないのだ。それにもかかわらず、なぜこれほどの議席差が生まれたのか。答えは明白、小選挙区制の弊害が極限に達しているからである。

制度の欠陥が招いた「民意のパラドックス」

国民のニーズが多様化した結果、国民民主党や参政党といった新たな勢力が支持を伸ばした。彼らは有権者の受け皿になろうと多くの候補者を擁立したが、皮肉なことに、それが「票割れ」を引き起こしたのだ。野党が乱立すれば、組織票を持つ自民党が相対的に有利になる。有権者の多様なニーズに応えようとすればするほど、逆に有権者の大多数が望まない自民党の圧勝を許してしまう。これが現在の選挙制度が抱える「民意のパラドックス」である。このシステムの下では、どれだけ国民が変化を求めても、その声は死票として捨て去られる運命にある。

中選挙区制への回帰と野党共闘の活路

本来であれば、多様な民意を反映できる中選挙区制への回帰を議論すべき時だ。しかし、3分の2を握った自民党が自らに不利な制度改正を行うはずがない。ならば、現実的な対抗策は一つしかない。国民民主党や参政党など、勢いのある野党勢力が選挙区での協力を進めることだ。衰退しゆく旧来の野党勢力に構っている暇はない。絶対得票率2割の政党が国を支配する歪な構造を打破するためには、感情論を排した戦略的な連携が不可欠なのである。

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TAKA
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理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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