なぜ部下はついてこないのか?「小手先のテクニック」より大切なこと
「リーダーとして、もっと周りを引っ張っていきたい」 「でも、自信がなくて堂々と振る舞えない……」 「トラブルが起きると、すぐに動揺してしまう……」
職場や家庭、コミュニティでリーダーシップを求められたとき、こんなふうに自分の「弱さ」を感じて落ち込むことはありませんか?
書店に行けば「人を動かす話し方」「リーダーの技術」といった本がたくさん並んでいます。しかし、それらのテクニックを使ってもうまくいかないなら、原因はもっと深いところにあるかもしれません。
世界的ベストセラー『7つの習慣』の著者、スティーブン・R・コヴィー博士はこう言っています。 **「人間関係でリーダーシップを発揮するには、まず自分自身の内面を整える必要がある」**と。
この記事では、コヴィー博士が提唱する**「リーダーシップを支える4つの柱(安定・指針・知恵・力)」**について解説します。
結論から言うと、「ブレない自分(原則中心)」を作ることこそが、最強のリーダーシップです。
難しい言葉は使わずに、イメージしやすいように解説していきます。自分を見つめ直すきっかけにしてください。
テクニックだけでは「人はついてこない」理由
建物を想像してみてください。 どんなに立派な屋根やおしゃれな壁紙(=テクニック)を用意しても、基礎となる土台(=あなたの内面)がグラグラしていたら、少しの地震ですぐに倒れてしまいますよね。
人間関係も同じです。 リーダー自身の心が不安定だったり、言うことがコロコロ変わったりしていては、どんなに上手な話し方をしても、周りの人は「この人について行って大丈夫かな?」と不安になります。
コヴィー博士は、真のリーダーシップを発揮するためには、以下の3つが必要だと説いています。
- ビジョン: 「どこへ向かうか」という明確な目標
- 主体的な率先力: 自分で決めて、先頭に立って動く姿勢
- 原則中心の生き方から得られる「4つの要素」
特に重要なのが3つ目です。自分自身の中心にしっかりとした「軸(原則)」を持つことで、以下の4つの要素が手に入り、それが人々を惹きつける魅力となるのです。
自分を支える「4つの要素」とは?
「原則中心」の生き方をすると手に入る4つの要素を、RPGゲームのキャラクターのステータスのようにイメージしてみましょう。これらが高いレベルであればあるほど、リーダーとしての魅力が増します。
1. 安定(Security):心の「どっしり感」
これは、「自分は何者か」という自信や、情緒的な安定感のことです。
- 低い状態: 他人の評価ばかり気にする。失敗するとひどく落ち込む。
- 高い状態: 他人に何を言われても動じない。自分の価値を自分で認めている。
「安定」があるリーダーは、大木のようにどっしり構えているので、周りの人も安心して頼ることができます。
2. 指針(Guidance):人生の「コンパス」
これは、判断に迷ったときの基準や、進むべき方向性のことです。
- 低い状態: 流行りやその場の空気に流される。「みんながそう言うから」で決める。
- 高い状態: 「自分の中に確固たる良心(ルール)」がある。どんな時も正しい方向へ舵を切れる。
暗闇でも北を指すコンパスを持っている人は、迷子になっているメンバーを導くことができます。
3. 知恵(Wisdom):物事を見る「レンズ」
これは、バランス感覚や、全体を見通す洞察力のことです。
- 低い状態: 偏見を持っていたり、一部分しか見ていなかったりする。すぐに「あいつは敵だ」と決めつける。
- 高い状態: 物事のつながりを理解し、冷静に判断できる。違いを尊重できる。
高性能なレンズで世界を見ているリーダーは、トラブルが起きても「今、何が起きているか」を正しく把握し、解決策を見出せます。
4. 力(Power):行動する「エンジン」
これは、自分で選択し、現実を変えていくエネルギーのことです。
- 低い状態: 「どうせ無理だ」「環境が悪い」と言い訳をして動かない。
- 高い状態: 「自分で状況を変えられる」と信じて行動する。
パワフルなエンジンを持つリーダーは、困難な状況でも諦めず、周りを巻き込んで前進する推進力を持っています。
「原則中心」がすべてを統合する
これら4つの要素(安定・指針・知恵・力)は、バラバラに鍛えるものではありません。 **「原則中心(誠実さ、公正さ、貢献など、時代を超えて変わらない正しいこと)」**を自分の中心に置くことで、自然と湧き上がってくるものです。
「自分の利益」や「見栄」を中心にするのではなく、「人として正しいこと」を中心に行動する。 そうすれば、心は安定し、迷わない指針が得られ、正しい知恵が働き、行動する力が生まれます。
その結果として、あなたの背中を見た周囲の人たちが、「この人と一緒に働きたい」「この人についていきたい」と自然に思うようになる。これこそが、本物のリーダーシップなのです。
まとめ・アクションプラン
小手先のスキルではなく、あり方を磨くことが遠回りのようで一番の近道です。
- リーダーシップには、テクニック以上に「内面の土台」が必要不可欠。
- 原則中心に生きることで「安定・指針・知恵・力」という4つの資質が得られる。
- 自分が「ぶれない軸」を持つことで、自然と周囲からの信頼と協力が得られる。
リーダーとしての自分を磨く Next Action
【自分の「中心」をチェックしてみよう】 今、あなたが何かを決断するとき、何を中心に考えていますか? 「他人によく思われたいから(敵中心)」? 「損をしたくないから(お金中心)」? それとも、**「それが人として正しいことだから(原則中心)」**でしょうか?
次に何か迷ったときは、**「原則(正しさ・誠実さ)に照らして、どうするのがベストか?」**と自分に問いかけてみてください。その積み重ねが、あなたを強いリーダーに変えていきます。
より深く学びたい方は、書籍**『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』**の「第2の習慣」を読み返してみることをおすすめします。
