努力の方向、間違ってない?「効率よく不幸になる」人が見落とす決定的な視点
「どうすれば、もっと効率よく仕事が片付くだろう?」 「どうすれば、もっと早く目標を達成できるだろう?」
私たちは毎日、**「どうすれば(How)」**ということばかり考えてしまいます。 しかし、ふと我に返ったとき、「そもそも、これをやっていていいんだっけ?」と不安になることはありませんか?
実は、多くの人が**「リーダーシップ」と「マネジメント」を混同**し、人生の方向を見失っています。
理学療法士としてリハビリを行っていると、この違いは明確です。 「効率よく歩く練習をする」のがマネジメントなら、「そもそも、歩いてどこに行きたいのか?」を決めるのがリーダーシップです。行き先がないのに歩く練習をしても、それはただの苦行ですよね。
この記事では、コヴィー博士の言葉をヒントに、人生における「技術」と「芸術」の違いについて解説します。
結論をお伝えします。 あなたの人生に必要なのは、スピードを上げる時計(マネジメント)ではありません。 進むべき道を示す**コンパス(リーダーシップ)**なのです。
「正しく行う」か、「正しいことを行う」か
コヴィー博士は、この2つの違いについて、次のように述べています。
マネジメントとリーダーシップはまるで違うものである。 リーダーシップは基本的には右脳の精力的な活動である。技術というより芸術であり、哲学を土台としたものである。
少し抽象的ですね。わかりやすく対比してみましょう。
- マネジメント(左脳・技術):
- 物事を正しく行う(Do things right)
- 効率、スピード、手順、方法論
- 問いかけ:「どうすればもっと上手くできるか?」
- リーダーシップ(右脳・芸術):
- 正しいことを行う(Do the right things)
- 方向性、目的、ビジョン、価値観
- 問いかけ:「そもそも、私がやりたいことはこれか?」
ジャングルの探検隊
有名な例え話があります。 ジャングルを切り開いて進む探検隊がいます。
- マネージャー: 「斧を研げ! 筋肉を鍛えろ! 作業スケジュールを守れ!」と、効率よく草を刈る指示を出します。
- リーダー: 高い木に登って全体を見渡し、こう叫びます。 「おーい! このジャングルじゃなーい!」
どれだけ効率よく(マネジメント)、スピーディーに進んでいても、そもそもジャングル(方向性)が間違っていたら、その努力は全て無駄になります。 人生において、あなたは今、木に登って確認していますか? それとも、ただ下を向いて草を刈り続けていませんか?
リーダーシップは「芸術」である
文章の中に「技術というより芸術」という言葉がありました。
マネジメントは、マニュアル化できる「技術」です。 しかし、自分の人生をどう生きるかというリーダーシップには、正解のマニュアルはありません。だからこそ「芸術(アート)」なのです。
自分という作品を描く
真っ白なキャンバスに、「どんな絵を描きたいか」をイメージする力。 これが右脳的な活動です。
リハビリでも、「膝を90度曲げる」というのは技術(マネジメント)です。 しかし、「膝を治して、もう一度妻とダンスを踊りたい」というのは、その人の人生観に基づいた芸術(リーダーシップ)です。 この**「ワクワクする絵」**がない限り、苦しいリハビリ(マネジメント)は続きません。
自分への「究極の問いかけ」
リーダーシップを発揮するためには、どうすればいいのでしょうか?
あなたが自分の人生でリーダーシップを発揮するには、自分の人生はどうあるべきか、自分自身に向かって究極の問いかけをしなければならない。
日々のTo Doリスト(やるべきこと)に忙殺される前に、以下の問いかけを自分に投げかけてみてください。
- 「私の人生の目的は何か?」
- 「死ぬとき、誰にどんな言葉をかけられたいか?」
- 「私が本当に大切にしたい価値観は何か?」
これらは、すぐに答えが出るものではありません。哲学的な問いです。 しかし、この問いから逃げて「とりあえず忙しく働く」ことを選んでしまうと、いつか「間違ったジャングル」で遭難することになります。
まとめ・アクションプラン
記事の要点をまとめます。
- マネジメントは「効率(手段)」、リーダーシップは「方向性(目的)」である。
- リーダーシップはマニュアルのない「芸術」であり、右脳的なイメージ力が必要。
- 「どうやるか」の前に、「人生はどうあるべきか」という究極の問いを持とう。
はしごを速く登る(マネジメント)のは得意でも、はしごが間違った壁にかかっていたら意味がありません。 まずは一度立ち止まり、リーダーとして「壁」を確認することから始めましょう。
Next Action:5分間の「終わり」を想像する旅
今日、寝る前の5分間だけでいいので、目を閉じて想像してみてください。
「自分の葬儀が行われています。そこで友人や家族は、あなたのことを何と言って泣いていますか?」
その弔辞(ちょうじ)の中で言われたい言葉こそが、あなたの人生の「リーダーシップ(目的)」です。 そこから逆算して、明日からの行動(マネジメント)を決めていきましょう。
