Double Crush Syndromeとは?歴史・病態・臨床的意義を再学習する
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「左方移動=細菌感染症」という理解は臨床で広く浸透しています。しかし、実際には細菌感染症以外の病態でも左方移動がみられることがあるため、注意が必要です。ここでは、その代表例と細菌感染症との違いについて整理します。
報告例は少ないものの、拒食症や代謝性アシドーシス、外科手術後に左方移動がみられたという報告があります。
これらは一過性の変化として捉えるべきであり、感染症を積極的に疑う所見とは言えません。
大量出血の際にも左方移動がみられることがあります。
このため、出血に伴う左方移動を細菌感染と誤認しないことが重要です。
重症化したウイルス感染症でも、稀に左方移動が生じることがあります。
ただし、好中球が大量に消費されるわけではないため、細菌感染症にみられるような顕著な変動には至りません。
非細菌性疾患での左方移動は、いずれも変動が小さく、一過性です。また、CRPの上昇も軽度に留まります。
一方、細菌感染症では、
このため、臨床的には鑑別は比較的容易です。
左方移動は典型的には細菌感染症でみられる所見ですが、例外的に以下の病態でも起こり得ます。
しかし、これらはいずれも変動が小さく、CRP上昇も軽度であり、細菌感染症のような顕著な検査値の変化はみられません。
したがって、左方移動を認めても「即ち細菌感染症」と決めつけるのではなく、CRPの変動や臨床症状と合わせて総合的に判断することが大切です。