自己啓発

「劇中の俳優として生きる――エピクテトスとマルクス・アウレリウスに学ぶ役割の受け入れ方」

人生は舞台であり、私たちは俳優

エピクテトスは『提要』の中でこう述べています。

「君は劇中の俳優であり、劇作家の意志に従って役を演じているのだ。短い劇なら短く、長い劇なら長く。与えられた役割を嘆くのではなく、立派に演じきることが務めである」

この比喩は、人生を舞台、私たちをその登場人物に見立てています。配役は自分で決められないかもしれませんが、その役をどう演じるかは自分次第なのです。


望まなかった役を演じた皇帝

マルクス・アウレリウスは、ストア派の思想を実践した哲学者皇帝として知られています。しかし彼自身は、皇帝になることを望んではいませんでした。哲学に没頭することを望んでいた彼は、政治の舞台に立つことを避けたかったのです。

しかし歴史の流れは彼に皇帝という大役を割り当てました。マルクスはその役を拒まず、重責に耐えながらも、常に哲学の精神を忘れずに務めを果たしました。彼が残した『自省録』は、まさに「与えられた役をどう生き抜くか」という苦悩と実践の記録なのです。


奴隷として生きた哲学者

一方で、エピクテトス自身は生涯の多くを奴隷として過ごしました。望まぬ境遇の中で、彼は「与えられた役を演じきる」ことの大切さを説き続けました。その思想が、時代を超えて人々に力を与えてきたのです。


与えられた役割をどう生きるか

私たちの人生においても、与えられる役割はさまざまです。ある人は経営者として舞台に立ち、ある人は家庭を支える役を担います。思いがけず責任を背負わされることもあれば、逆に期待していた役割を与えられないこともあるでしょう。

重要なのは、その役を「不本意だ」と嘆くのではなく、「どう演じるか」に集中することです。脇役であっても、全力で役を果たせば、舞台全体を引き立てる存在になれるのです。


日常に活かせる実践法

  1. 自分の役を明確にする
    仕事や家庭で自分に課せられた役割を意識してみましょう。
  2. 比較ではなく演技に集中する
    他人の役と比べるのではなく、自分の役をどう良くするかに力を注ぎましょう。
  3. 役を受け入れる
    好ましくない役回りでも、「これは私の務めだ」と認識することで心が軽くなります。
  4. 役を超えて輝く
    脇役から主役へと変わることもあります。それは「今の役を誰よりも誠実に演じた結果」として訪れるのです。

まとめ:役を演じきることが自由につながる

人生は自分が選んだ舞台ではないかもしれません。しかし、与えられた役をどう演じるかは私たち次第です。エピクテトスとマルクス・アウレリウスの姿勢が示すように、役を受け入れ、誠実に演じきることで、私たちは逆境の中でも自由を見いだすことができます。

今日の舞台で自分に与えられた役を、最高の演技で果たしてみましょう。

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taka
理学療法士TAKAが自分の臨床成果を少しでも高めるために、リハビリ・運動学・生理学・物理療法について学んだ内容を発信。合わせて趣味の読書や自己啓発等の内容の学びも自己満で発信するためのブログです。