自己啓発

心と体は「生命」という一つの流れ──アドラー心理学が教える“全体で生きる”という考え方

taka
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心と体は「生命」というひとつの流れの中にある

私たちは普段、心と体を別々のものとして考えがちです。
「心が弱っている」「体が疲れている」と、まるで別の存在のように扱ってしまうことがあります。

しかし、アドラー心理学では心も体も“生命という一つの全体”の表現だと考えます。
心は生命の内側からの動き、体は生命の外側への働き。
そのどちらも、ひとつの生命が自らを表している姿なのです。


アドラー心理学が重視する「全体としての人間」理解

アドラー心理学は、部分的に人間を分析するのではなく、
その人の行動・感情・身体反応をすべて「生命の表現」として理解する学問です。

たとえば、

  • 不安で胃が痛くなる
  • 緊張すると肩がこわばる
  • 心が沈むと体も重くなる

これらは、心と体が別々に反応しているのではなく、
一つの生命が“今の状態”を全身で表現しているのです。

アドラー心理学の立場から見れば、
「身体症状=生命のメッセージ」とも言えるでしょう。


「生命全体」で理解するということ

この“全体から見る”という姿勢は、アドラー心理学の根幹にあります。
彼は人間を「部分の集まり」ではなく、
目的をもった全体としての存在ととらえました。

つまり、私たちの思考・感情・行動・身体反応はすべてつながっており、
その根底には「生命としてどう生きたいか」という方向性があります。

たとえば、ある人が疲れて何もしたくないとき、
それは単なる怠けではなく、生命が休息を求めているサインかもしれません。
逆に、前向きな活力が湧いているときは、生命が充実している証とも言えます。

心と体のどちらかだけを整えようとするのではなく、
生命全体の調和を意識することが、真の健康につながるのです。


「心と体をひとつとして生きる」ための実践法

  1. 心の声も体の声も“同じ自分”として聴く
     体調が悪いときは、心の疲れが原因のこともあります。
     逆に、気分が落ちているときは、睡眠や栄養の不足が関係していることも。
     → 「心身一体」として、自分をまるごとケアする視点を持ちましょう。
  2. “生きている感覚”を取り戻す習慣をもつ
     散歩、呼吸、自然に触れる、音楽を聴くなど、
     自分が生命であることを感じる時間を意識的につくる。
     → 心と体の調和が自然に整います。
  3. 「調子が悪い」=バランスを取り戻す過程ととらえる
     不調や不安も、生命が自分を整えようとしている反応。
     → 否定せずに、「今はそういう時期」と受け入れることで、回復が早まります。

生命全体として自分をとらえると、他者理解も変わる

この“全体で見る”という考え方は、自分だけでなく他者への理解にも役立ちます。
他人の怒りや不安、体調不良を「感情的」「弱い」と切り捨てるのではなく、
生命全体がバランスを取ろうとしている姿として見てみる。

すると、批判ではなく共感が生まれ、
「この人の生命はいま、何を伝えようとしているのだろう?」
という深い理解の姿勢に変わります。

アドラー心理学が目指す“人間理解”とは、まさにこのような包括的なまなざしなのです。


まとめ:心も体も、「生命」という一つの表現

アドラー心理学の根底には、
人間とは、生命そのものの表れであるという考え方があります。

心が沈むのも、体が疲れるのも、どちらも「生命が発しているサイン」。
それを切り離さず、全体の調和としてとらえると、
私たちはもっと自然に、自分を理解できるようになります。

生命は、心でも体でもなく、その両方を包み込むもの。
その視点に立つとき、
「生きる」とは、“生命全体を生きること”だと気づくのです。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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