「相槌の打ち方」なんて学ぶな!本物の傾聴力を身につけるたった1つの条件
「会話スクールで相槌(あいづち)の打ち方を学んだけれど、いざとなると実践できない」 「部下の話を聴こうと努力しているが、どうしても面倒くささが顔に出てしまう」
そんなふうに、テクニックを学んでも「形だけ」になってしまってお悩みではありませんか?
書店に行けば「聞き方」「話し方」のテクニック本が溢れています。しかし、それらを読んでも変われない人が多いのはなぜでしょうか。
『7つの習慣』の著者コヴィー博士は、その理由を鋭く指摘しています。 「スキル(やり方)を知っていても、『聴きたい』という意欲がなければ、それは習慣にはならない」
この記事を読むと、以下のことがわかります。
- なぜ小手先のテクニックだけでは、相手に見透かされてしまうのか
- 物事を「習慣」にするために不可欠な3つの要素(知識・スキル・意欲)
- 「面倒くさい」を乗り越え、心から聴きたいと思うためのヒント
スキル偏重の努力をやめて、もっと本質的なアプローチで「聞き上手」を目指しましょう。
「聴くフリ」はバレている? スキルの限界
まず、ドキッとする事実をお伝えします。 心の中で「早く話終わらないかな」「自分の意見を言いたいな」と思っているとき、それは必ず相手に伝わります。
どれだけ完璧なタイミングで頷いても、オウム返しを使っても、そこに「真心」がなければ、相手は本能的に「あ、この人は私に関心がないんだな」と察知します。
コヴィー博士の指摘通り、聴く必要性を頭で理解し(知識)、聴くテクニックを持っていても(スキル)、それだけでは「本物の傾聴」にはなりません。 むしろ、中途半端なテクニックは「操作されている」という不信感を相手に与えてしまうことさえあります。
習慣をつくる「3つの輪」とは
では、どうすれば自然と「聴ける人」になれるのでしょうか。 コヴィー博士は、何かを自分のもの(習慣)にするには、次の3つの要素が重なり合う必要があると説いています。
- 知識(Knowledge): 「なぜそれをする必要があるのか」「何をするのか」という理論。
- スキル(Skill): 「どうやってするのか」という技術。
- 意欲(Desire): 「したい」という動機。
多くの人は、「知識」と「スキル」ばかりを詰め込みがちです。 しかし、一番重要なのは3つ目の**「意欲(聴きたいと思う心)」**です。この円が重ならない限り、それは単なる「知識」止まりで、あなたの行動(習慣)にはなりません。
「聴きたい」という意欲を育てるには
「でも、興味のない相手の話を『聴きたい』なんて思えないよ……」 そう思うのは当然です。意欲を持つことが一番難しいからです。
無理に好きになろうとする必要はありません。まずは以下の視点を持ってみてください。
1. 相手の中に「宝物」を探すつもりで聴く
「この人は、私が知らない世界を知っているかもしれない」 「この悩みは、私自身の成長にもつながるかもしれない」
相手の話の中に、自分にとって価値ある発見(宝物)があると思い込んでみてください。すると、自然と前のめりになり、「もっと聴きたい」という意欲が湧いてきます。
2. 「聴くこと」=「相手への最大のプレゼント」と考える
マザー・テレサの言葉に「愛の反対は憎しみではなく、無関心である」というものがあります。 話を聴くことは、「あなたに関心があります」「あなたは大切な存在です」と伝える最高の愛の表現です。
「スキルを使う」のではなく、「プレゼントを渡す」という感覚(意欲)で向き合ったとき、あなたの相槌や表情には体温が宿ります。そのとき初めて、スキルは生きたものとなり、習慣として定着するのです。
まとめ・アクションプラン
テクニックは「道具」にすぎません。それを使う「心(意欲)」がなければ、何の役にも立ちません。 「聴き方」を学ぶ前に、「なぜ聴きたいのか」を自分に問いかけてみましょう。
今回のポイントをまとめます。
- スキルと知識だけでは不十分。「意欲」がなければ習慣にはならない。
- テクニックだけの傾聴は、相手に不信感を与えることがある。
- 「相手から学ぶ」「愛を与える」という動機が、聴く意欲を生み出す。
今日からできる、意欲を育てるための第一歩を提案します。
Next Action: 今日、誰かと会話するとき、スマホをポケットにしまって**「相手の目をしっかり見て、最初の1分間だけは自分の判断を止めて話を聴く」と決めてみてください。 「返事をしよう」とか「アドバイスしよう」と考えず、ただ「この人は今、何を伝えたいんだろう?」という好奇心**だけを持つこと。それが「意欲」のスイッチを入れる練習になります。
より深く「習慣のメカニズム」や「真のコミュニケーション」を学びたい方は、世界中で読み継がれている**『7つの習慣』**(スティーブン・R・コヴィー著)を読んでみることを強くおすすめします。小手先のテクニックではない、人生を変える原則が見つかるはずです。
