政治・経済

自分に甘い人が、他人を動かせるわけがない。「成功」には守るべき絶対の順序がある。

taka

チームをまとめたい、子供を立派に育てたい、パートナーと良い関係を築きたい。 そう願って他者に働きかけても、なぜか空回りしたり、反発されたりすることはありませんか?

「もっと上手な伝え方はないか?」「相手を変えるテクニックはないか?」と探しがちですが、世界的な名著『7つの習慣』の著者スティーブン・R・コヴィーは、問題の原因をもっと手前の段階にあると指摘します。

それは、**「あなたは、あなた自身との戦いに勝っていますか?」**という問いかけです。

コヴィー博士は、**「まずは自分に打ち克って成功していなければ、他者との関係において成功することはできない」**と断言しています。

私は理学療法士として働いていますが、これは「自分が溺れているのに、人を助けようとする」のと同じくらい無謀なことです。自分をコントロールできていない人が、他人を導くことは不可能なのです。

この記事では、なぜ「自分への勝利」が他人との成功の前提条件なのか、そのメカニズムを解説します。 結論を言えば、「朝起きる」「約束を守る」といった地味な自分との戦いの連勝記録こそが、他人を動かす最強のカリスマ性になるのです。

「修身斉家治国平天下」の教え

コヴィー博士のこの教えは、東洋の古典『大学』にある言葉と通じています。

修身斉家治国平天下(しゅうしん せいか ちこく へいてんか) 「天下を治めるには、まず自分の国を治めよ。国を治めるには、まず自分の家を整えよ。家を整えるには、まず自分自身の行いを正せ(修身)。」

つまり、昔から**「自分(修身)→ 他人(天下)」という順序は絶対**なのです。 この順序を飛ばして、いきなり天下(チームや家庭)をコントロールしようとするから、歪みが生じます。

自分に負けている人の言葉は響かない

「自分に打ち克つ」とは、具体的にどういうことでしょうか。 それは、自分の感情、衝動、気分の浮き沈みをコントロールし、**「自分との約束を守る」**ということです。

  • 自分に負けている上司: 「遅刻厳禁!」と言いながら自分は遅刻する。 「挑戦しろ!」と言いながら自分はリスクを取らない。
  • 自分に勝っている上司: 誰よりも早く来て準備をしている。 誰よりも勉強し、挑戦している。

部下がついていきたいと思うのは、明らかに後者ですよね。 言葉巧みなスピーチ(テクニック)ではなく、その人の背中から滲み出る「自制心(自分に勝った証)」こそが、他人を動かす真のエネルギー(公的成功)となるのです。

リハビリ視点:セラピストの不養生

私たち医療従事者の間でも、この法則は鉄則です。

もし、タバコ臭くてお腹が出ている理学療法士に、「健康のために運動しましょう! 生活習慣を変えましょう!」と指導されたらどう思いますか? 「まずはお前がやれよ」と思いますよね。これでは信頼関係(公的成功)は築けません。

患者さんは、セラピストの言葉だけでなく「あり方」を見ています。 自分が健康管理という「自分との戦い」に勝っているセラピストの言葉だけが、患者さんの心に届き、行動を変える力を持つのです。

小さな勝利を積み重ねよう

「自分に打ち克つ」といっても、いきなり聖人君子になる必要はありません。 今日からできる**「小さな勝利(Small Wins)」**を積み重ねればいいのです。

  1. 目覚まし時計に勝つ: 二度寝せずに起きる。
  2. 食欲に勝つ: 腹八分目で箸を置く。
  3. 怠惰に勝つ: 1日1ページ読書をする。

この地味な勝利の積み重ねが、「自分は自分をコントロールできる」という自信(私的成功)を生み出します。 その自信がオーラとなって現れたとき、不思議と周りの人があなたの言葉に耳を傾けるようになるはずです。


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まとめ・アクションプラン

今回の記事の要点をまとめます。

  1. 他者との成功(公的成功)を収めるには、その前に自分自身を制する(私的成功)必要がある。
  2. 「修身斉家治国平天下」の通り、自分→家庭→組織という順序を飛ばすことはできない。
  3. 自分との約束を守り、欲望や感情に打ち克つ姿こそが、他人からの信頼とリーダーシップの源泉となる。

Next Action:明日の朝、「最初の勝利」を掴もう

リーダーシップを磨きたいなら、明日の朝一番に勝負をかけてください。 それは、**「決めた時間に起き、布団からスパッと出る」**という勝負です。

「あと5分…」という誘惑に打ち克ち、一日を勝利でスタートさせる。 その清々しい感覚を持ったまま家族や同僚に接してみてください。きっと、いつもより力強く、優しい言葉がかけられるはずです。

この「私的成功」から「公的成功」へのプロセスを体系的に学びたい方は、**『7つの習慣』**が必須のバイブルです。まずは第1〜第3の習慣で「自分に勝つ」方法をマスターしましょう。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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