「敵と組める人」が勝つ:カーネギーに学ぶ“競争と協調”の経営戦略
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ローマ時代の哲学者セネカは『倫理書簡集』でこう述べています。
「友人を思いやり、その進歩前進を自分のことのように喜ぶのは、自然にかなうことだ。そうしなければ、美徳が、われわれの内にとどまることはないだろう。」
つまり、他人の成功を共に喜ぶことこそ、人間にとって自然であり、美徳を育てる道なのです。
とはいえ、他人の成功を素直に喜べない瞬間もあります。特に自分がうまくいっていないときには、嫉妬心や劣等感に苛まれることもあるでしょう。
心理学的にいえば、この感情は「ゼロサム思考」によるものです。大昔の狩猟採集社会では、誰かが多くの食料を得れば、自分の取り分は減るかもしれない。そんな生存競争のなごりが、現代の私たちにも残っているのです。
しかし現代社会は、知識や協力によって「みんなが共に利益を得る」ことが可能です。つまり嫉妬は自然な感情ではありますが、現代においては必ずしも合理的ではないのです。
セネカが強調したのは、共感や利他的な行動もまた習慣によって育まれるということです。
こうした態度を繰り返すことで、私たちの中に「美徳」が根づき、強くなっていきます。
現代社会において、このセネカの教えをどう実践できるでしょうか?
セネカは、美徳とは頭の中で考えるだけでなく、人との関わりの中で自覚し、実践することでしか育たないと説きました。
これらを実践できる人こそ、真に強く、豊かな人生を歩めるのです。
今日一日、誰かの成功や努力を自分のことのように喜んでみましょう。その小さな一歩が、美徳を育て、あなた自身をより成長させるはずです。