自己啓発

新渡戸稲造『世渡りの道』に学ぶ——いつも「ありがたい」という気持ちをもて

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「ありがたい」という気持ちは、人を豊かにする

新渡戸稲造は『世渡りの道』の中で、こう語っています。

「人はとかく『ありがたい』という気持ちを忘れてしまう。
人から親切を受けたときには『ありがたい』と喜びはする。
しかし、それも少し時間がたつと、たちまち忘れてしまう。」

人は、親切を受けた瞬間には感謝しても、
時間が経つとその気持ちをすぐに忘れてしまうものです。
ひどい場合には、感謝するどころか「これだけしかしてもらえなかった」と不満を抱く。
新渡戸は、そんな人間の弱さを静かに指摘しています。

しかし、彼の意図は人を責めることではありません。
むしろ、「ありがたい」と感じる心を忘れない人こそが、真に豊かな人生を送るということを伝えたかったのです。


感謝を忘れると、心が貧しくなる

人は「当たり前」に慣れると、感謝を失っていきます。
健康であること、家があること、食事ができること——
これらは決して当然のことではありません。

新渡戸は、そうした「日常のありがたさ」に気づく感受性こそ、
人としての教養であり、精神の成熟だと考えていました。

感謝を失うと、どんなに物質的に豊かでも心は満たされません。
逆に、どんなに小さなことにも「ありがたい」と思える人は、
困難の中でも笑顔で生きていける。
それが、新渡戸の言う“真の幸福”なのです。


「感謝」は心の修養である

『修養』や『世渡りの道』に共通して流れるテーマは、**「感情を育てること」**です。
新渡戸にとって、感謝は単なる礼儀ではなく、
人間を磨くための修養の一つでした。

感謝をすることで、

  • 謙虚になれる
  • 他人を思いやるようになる
  • 不満よりも感謝を探す心が育つ

つまり、「ありがたい」と思う習慣は、心を穏やかに保ち、
人間関係を温かくする“精神の鍛錬”でもあるのです。


「ありがたい」を言葉にする

感謝の心を持っていても、
それを言葉にしなければ相手には伝わりません。
新渡戸は言葉の力を重んじた人物でした。

「ありがとう」は、最も簡単で、最も人の心を動かす言葉である。

この一言を伝えることで、
相手の善意が報われ、あなた自身も優しい気持ちになります。
たとえ些細なことであっても、「ありがとう」と言うことができる人は、
周囲の人を自然と幸せにします。

感謝の言葉は、自分の心を豊かにし、他人の心も温める。
それが、新渡戸が伝えたかった「ありがたい」という言葉の力です。


「足りないもの」より「あるもの」に目を向けよ

人が不幸になるのは、足りないものを数えるからです。
感謝を忘れると、欠けているものばかりが目につき、
他人と比べて劣等感や不満が生まれます。

新渡戸は、その逆を生きるように諭します。

「感謝を持つ者は、すでに幸福である。」

つまり、「ありがたい」と思える人は、すでに満たされている。
心が満たされていれば、
どんな逆境でも前向きに生きていける——それが新渡戸の人生観です。


現代に通じる「ありがたい」の哲学

現代社会では、スピードと成果が重視され、
「感謝より効率」「情より結果」が優先されがちです。
しかし、そんな時代だからこそ、
「ありがたい」という一言が人の心を救うことがあります。

  • 忙しい中で手を貸してくれた同僚に
  • 家事や支えをしてくれる家族に
  • 普段は気づかない自然や健康に

小さな「ありがとう」を意識するだけで、
日常が少しずつ明るく、やさしく変わっていきます。


まとめ:「ありがたい」を忘れない人は幸せになる

新渡戸稲造『世渡りの道』のこの章は、
現代人が忘れがちな「感謝の力」を静かに教えてくれます。

「人はとかく『ありがたい』という気持ちを忘れてしまう。」

感謝は、受けるものではなく“持ち続けるもの”。
日々「ありがたい」と思える人こそ、
人間としての深みと温かさを育てることができます。

そしてその感謝の心こそが、
新渡戸の言う「世渡りの道」——
つまり、人として品格を保ち、幸せに生きる道なのです。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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