自己啓発

新渡戸稲造『人生読本』に学ぶ——人生には「頑張らなければならない時」がある

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新渡戸稲造が語る「人生には頑張らなければならないときがある」

日本を代表する教育者・思想家の一人である新渡戸稲造。彼の著書『人生読本』には、多くの人生訓が収められています。
その中でも特に心に響くのが次の一節です。

「人生の中には、ことさら頑張らなければならないときがあるものだ。長い年月の間には、思いがけない事情から自分の心を強く試されるときがある。いわゆる逆境のときである。しかし、そんなときこそ、何事にも負けない強い意志をもって、頑張り抜かねばならない。」

この言葉には、新渡戸が西洋のキリスト教倫理と日本的な武士道精神を融合させて生きた人物ならではの、人間の尊厳と努力への信念が込められています。


「頑張る」とは、自分の意志を貫くこと

新渡戸が説く“頑張る”とは、単に我慢することでも、他人と競うことでもありません。
それは「自らの信念を貫くために、自分の意志で努力を選び取ること」です。

人生には、どうしても避けられない試練のときがあります。
仕事の壁、人間関係の摩擦、健康や家庭の問題——。
そうした時に大切なのは、「誰かに褒められるために頑張る」のではなく、「自分自身が納得できる形で生き抜くこと」だと新渡戸は教えてくれます。


逆境こそが人格を磨く舞台

新渡戸稲造は『武士道』の中でも「人の価値は平穏のときではなく、苦難に直面したときにこそ現れる」と述べています。
つまり、逆境は人の真価を試す瞬間なのです。

私たちは困難に出会うと、逃げたくなることがあります。
しかし、その場に踏みとどまり、できることを一つずつ積み上げることこそが、人格を磨く鍛錬になります。
新渡戸の思想は、努力を「苦しみ」ではなく、「魂を鍛える機会」として捉えている点に深い魅力があります。


「頑張る時期」を見極める知恵

新渡戸は、常に全力で突っ走ることを勧めているわけではありません。
むしろ彼の人生観には、「休息や内省の時間を持つこと」も含まれています。
彼は教育者として、若者たちに「心の静けさ」の大切さを説いていました。

頑張るべき時期には全力で、そして心を休めるべき時期には無理をせず立ち止まる。
このバランス感覚が、長い人生をしなやかに生き抜く秘訣です。


現代に生きる私たちへのメッセージ

100年以上前に語られた新渡戸稲造の言葉ですが、その精神は今も色あせません。
AIが進化し、変化の激しい現代社会においても、**「自分の信じる道を、諦めずに歩むこと」**は普遍的な価値を持っています。

「人生には頑張らなければならないときがある」という言葉は、
決して“いつも頑張れ”というメッセージではなく、
“ここぞという時には逃げずに踏ん張ろう”という静かな励ましなのです。


まとめ:努力は、自分への最大の贈りもの

新渡戸稲造の『人生読本』は、努力を押し付ける道徳書ではなく、自分らしく生きるための精神の指針です。
苦しい時期を越えた先にこそ、人生の充実と成長があります。
その時、私たちはきっとこう言えるでしょう。

「あの時、頑張ってよかった」と。

新渡戸の教えは、時代を超えて今もなお、私たち一人ひとりの心を静かに支えてくれています。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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