自己啓発

新渡戸稲造『人生読本』に学ぶ——目的に達する道は一本だけではない

taka
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目的に達する道は一本ではない——新渡戸稲造の柔軟な人生観

新渡戸稲造の『人生読本』には、次のような印象的な一節があります。

「人はとかく何事においても、決まりきった方法以外では目的を達することはできないと思いがちだ。しかし、新たな事業を始めるにしても、特定の職業につくにしても、それに達する道は決して一本だけではない。」

この言葉は、現代社会にもそのまま当てはまります。
受験や就職、キャリア形成、さらには人生そのもの——。
私たちは「正解はひとつ」「この道しかない」と思い込みがちですが、新渡戸はそれをやさしく否定します。


「うまくいかない道」は、次の道への準備である

新渡戸は続けてこう述べています。

「Aの道で失敗すればBの道をとり、Bの道でうまくいかなければCの道を試せばいい。大切なことは、最初の目的を捨てずに、最後まで頑張り続けることなのだ。」

つまり、**失敗は「目的の放棄」ではなく「方法の見直し」**にすぎないのです。
たとえば、ある職業に就く夢が叶わなくても、違う形で同じ目的を実現できるかもしれません。
教育者を志して教壇に立てなくても、文章や講演で人に影響を与える道があるように。

大切なのは、方法ではなく「何のためにそれを目指しているのか」という根本の目的を見失わないことです。


柔軟さは、知性の証である

新渡戸稲造は『武士道』の中で「不動の信念を持ちながらも、柔軟に対応できる者こそ強い」とも語っています。
これはまさに、「信念と適応力の両立」を説く教えです。

一本の道に固執してしまうと、失敗した瞬間に心が折れてしまいます。
しかし、目的を中心に据えていれば、道は何本でも見つかります。
新渡戸の言葉は、現代でいう「レジリエンス(回復力)」や「キャリアシフト」の考え方にも通じるのです。


「回り道」が、実は最短ルートになることもある

私たちは時に、遠回りを無駄だと感じてしまいます。
しかし、その経験が後から「必要な寄り道だった」と気づくことも少なくありません。
新渡戸は、まさにこの“人生の寄り道”を肯定する思想を持っていました。

たとえば、目標に向かう途中で別の分野に挑戦することや、一時的に立ち止まることも、目的を深く理解するための時間になり得ます。
目的を見失わなければ、どんな道も「正しい道」になるのです。


現代社会でこそ生きる、新渡戸の「多様な道」論

現代の働き方は、新渡戸が生きた明治時代とは比べものにならないほど多様です。
転職、副業、フリーランス、地方移住、オンラインでの活動——。
いまは「一本のキャリア」を歩むよりも、「複数の道を組み合わせて生きる」時代になっています。

だからこそ、新渡戸稲造の

「目的に達する道は一本だけではない」
という言葉は、まるで現代人へのエールのように響きます。

挫折したとき、「まだ別の道がある」と思えること。
それが、心を強く、しなやかにしてくれるのです。


まとめ:方法は無限、目的は一つ

新渡戸稲造のこの一節は、挑戦するすべての人に向けた温かい励ましです。
人生において、うまくいかないことがあっても、それは終わりではなく、新しい道の始まり。

方法は変えてもいい。
でも、目的だけは手放してはいけない。

その柔軟さと粘り強さこそ、人生を豊かに生きる力なのです。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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