「弱点こそ最大の武器になる」──ウィリアム・ボリソーとデール・カーネギーが教える“欠点の活かし方”
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Taka Knowledge Output
ストア派の哲人エピクテトスは、次のように述べています。
「不運とは何か? ただの意見だ。対立や争いや責任や非難や不敬や軽薄さも皆、意見にすぎない。」
驚くべき視点ですが、この言葉は私たちの心の揺れがどこから来るのかを鋭く突いています。
天気がよいか悪いか。
誰かの言葉が無礼かどうか。
自分は成功しているか、失敗しているか。
これらはすべて「事実」ではなく「意見」です。
しかも、多くの場合、文化や信念、期待や無知によって色づけされています。
つまり、私たちは世界をそのまま見ているのではなく、自分の意見というフィルターをかけて見ているのです。
だからこそ、私たちは頻繁に腹を立てたり落ち込んだりします。
出来事そのものではなく、意見が心を乱しているのです。
エピクテトスは、こうした余計な意見を取り除くよう説きました。
ギリシャ語で「エクコプテイン」――つまり「切除する」「排除する」という言葉で表現しています。
出来事に善悪や評価をつけるのではなく、ただそこにある事実として眺める。
すると、物事は驚くほどシンプルになります。
エピクテトスの教えが示すのは、不運や対立といった苦しみの多くは「意見」にすぎないということです。
出来事をシンプルに見れば、世界もまたシンプルに見えてきます。
「意見」を切り離すことで、私たちは心の平静を保ち、より自由に生きることができるのです。