緊縮の呪縛を解け。日本経済「勝算」のシナリオ
「積極財政=悪」という誤解を解く
「積極財政を行うと、インフレも金利も制御不能になる」。そんなイメージだけで語られる経済論が多すぎるのではないだろうか。今、求められているのは「緊縮財政の呪縛」からの脱却だ。これまでの日本は、単年度の収支を合わせることに固執し、将来の成長や危機管理に必要な投資を削り続けてきた。この呪縛を解き、国としての投資を拡大することこそが、経済再生への唯一の道である。
金利上昇は「経済正常化」の証
ニュースでは国債金利の上昇を「暴落」や「危機」として報じることがあるが、これには冷静な視点が必要だ。
名目GDPが3%成長する経済であれば、長期金利が同程度になるのは正常なことである。これを「悪い金利上昇」と捉えるのは、長年続いたデフレとゼロ成長に慣れきってしまった弊害といえる。政府が投資を行い、供給能力を高めることで経済のパイが広がれば、金利の上昇はむしろ経済が健全さを取り戻している証左となるのだ。
企業が「貯蓄」する異常事態
日本経済の停滞を招いた真因は、企業が投資をせず、ひたすら借金返済と貯蓄に励んできたことにある。
本来、企業は借金をしてでも投資を行い、事業を拡大するのが正常な姿だ。しかし、デフレ下で「コストカット」が正義とされ、縮小均衡に陥ってしまった。政府が積極財政で需要を喚起し、この企業の過剰貯蓄を国内投資へと還流させる。これによって初めて、賃金上昇と生産性向上の好循環が生まれるのである。
年金不安を解消する「成長」の力
「将来世代へのツケ」として語られがちな財政出動だが、真実は逆だ。投資をケチり、成長しない経済を残すことこそが、若者への最大の背信行為となる。
年金財政も同様だ。現状の悲観的な試算は「永遠に成長しない」ことを前提としている。しかし、投資によってわずか1%でも実質成長率が高まれば、年金積立金は枯渇するどころか、将来的に巨額の資産となり得る。社会保険料を引き上げずとも、経済成長そのものが最強の社会保障対策となるのだ。
「借金を残さない」という撤退戦ではなく、「強い経済を残す」という勝利の戦略へ。今こそ、我々は思考を根本から転換すべき時である。
