その悩み、自作自演かも。人生をハードモードにする「歪んだメガネ」の外し方
「上司がわからず屋で困る」 「景気が悪いから給料が上がらない」 「自分には才能がないから成功できない」
もしあなたが今、このような「どうしようもない壁」にぶつかっているとしたら、少しだけ立ち止まって考えてみてください。
その壁は、本当にそこに存在するのでしょうか? それとも、あなたが「壁だ」と思い込んでいるだけなのでしょうか?
この記事では、世界的ベストセラー『7つの習慣』における最も重要な概念、「パラダイム(物の見方)」について解説します。 理学療法士として多くの患者さんと接する中で、私はある真実に気づきました。「もう歩けない」と嘆く人と、「車椅子ならどこへでも行ける」と笑う人の違いは、足の状態ではなく「心の視点」にあるということです。
結論をお伝えします。あなたの悩みを解決する鍵は、外の世界を変えることではなく、あなたが掛けている「メガネ」をかけ替えることにあります。
その「悩み」、自作自演ではありませんか?
私たちは普段、自分が見ている世界を「ありのままの事実」だと思っています。しかし、コヴィー博士はこう指摘します。
「問題の見方こそが問題である」
これはどういうことでしょうか。 例えば、あなたが「赤いレンズのメガネ」を掛けていると想像してください。世界中のすべてのものが赤く見えますよね。そこであなたが「どうして世界はこんなに赤いんだ!もっと青くなってくれ!」と叫んでも、世界は変わりません。
問題なのは「世界が赤いこと」ではなく、「あなたが赤いメガネを掛けていること(見方)」なのです。
パラダイム(見方)が変われば世界が変わる
この「見方」のことを専門用語で「パラダイム」と呼びます。 パラダイムが変わると、事実はひとつも変わっていないのに、解釈が180度変わることがあります。
医療現場での「見方」の転換例
リハビリの現場を例にしましょう。
- 悪い見方(パラダイム) 「右手が麻痺して動かない。もう料理もできないし、人生終わりだ。」 → 結果:絶望、うつ状態、廃用症候群
- 良い見方(パラダイム転換) 「右手が動かない。よし、これを機に左手で料理ができるようになろう。あるいは便利な調理家電を試すチャンスだ。」 → 結果:新しいスキルの習得、工夫、生きがい
「右手が動かない」という事実は同じです。しかし、それを「終わりの始まり」と見るか、「新しい挑戦の始まり」と見るかで、その後の人生は天と地ほど変わります。
アウトサイド・イン(外から内へ)の罠
多くの人は、問題の原因を自分の「外」に求めます(アウトサイド・イン)。
- 「あの人が変わってくれれば」
- 「会社がもっと評価してくれれば」
しかし、外の環境は簡単には変えられません。変えられないものを変えようとするから、苦しいのです。
インサイド・アウト(内から外へ)へ切り替え
解決策は、矢印を自分に向けること(インサイド・アウト)です。
- 「あの人が怒りっぽいのは事実だ。では、私はどう接すれば穏やかに話せるか?」
- 「会社が変わらないなら、私はどんなスキルを身につければ転職できるか?」
「問題の見方」を「他人のせい」から「自分の行動」へとシフトさせた瞬間、あなたは被害者ではなく、人生の操縦席に座るパイロットになれるのです。
まとめ・アクションプラン
今回の記事のポイントは以下の3点です。
- 解決しない悩みの原因は、事実そのものではなく「あなたの見方」にある。
- 世界を変えようとする前に、自分の掛けている「メガネ(パラダイム)」を疑う。
- 原因を外(他人・環境)に求めず、内(自分ができること)にフォーカスする。
「問題だ!」と感じた時こそ、それは「自分の見方を変えるチャンスだ!」と言い聞かせてみてください。
Next Action:視点を変える「魔法の言葉」
今日から、嫌なことがあったら**「別の見方をすると、これはどんなメリットがある?」**と自問自答してみてください。 「急な雨で最悪」→「お気に入りの傘を使うチャンス」、「仕事が増えた」→「自分の能力を示すチャンス」。 この訓練を続けると、あなたの脳は「問題」を自動的に「機会」へ変換するようになります。
そして、この「パラダイム転換」についてもっと深く知りたい方は、『7つの習慣』(特に第1部)を熟読することをおすすめします。あなたの頭の中にある「常識」という名の古いメガネを、ピカピカの新しいメガネに取り替えてくれるはずです。
