「早くしなさい」が口癖の親へ。家庭を「会社」のように管理すると子供は潰れます。
毎朝、「早く起きなさい!」「ご飯を早く食べなさい!」「宿題は終わったの?」と、子供を急かしてばかりいませんか?
まるで職場の上司が部下を管理するように、家庭内で**「効率」や「ルール」を徹底しようとして、うまくいかずにイライラする……。 もし心当たりがあるなら、あなたは今、「マネジメント(管理)のパラダイム」**に囚われているかもしれません。
世界的な名著『7つの習慣』の著者、スティーブン・R・コヴィーは、あまりにも多くの親が「心のつながり」よりも「スケジュール通りに進むこと」を優先してしまっていると警鐘を鳴らしています。
私は理学療法士としてリハビリを行っていますが、患者様の回復を「効率」だけで管理しようとすると必ず失敗します。人の心や体は、工場のライン作業のようにはいかないからです。
この記事では、家庭に必要なのは「管理(どうやるか)」ではなく「リーダーシップ(どこへ行くか)」である理由を解説します。
結論をお伝えすると、「時計(効率)」を見る回数を減らし、「コンパス(方向性)」を見る回数を増やすだけで、家庭の空気は劇的に柔らかくなります。
家庭は「会社」ではない
コヴィー博士の指摘を見てみましょう。
あまりにも多くの親が、マネジメントのパラダイムにとらわれている。方向性や目的、家族の想いより、能率・効率やルールにとらわれている。
会社組織では「効率よく利益を出すこと」が正義かもしれません。しかし、家庭の目的は「効率よく夕食を済ませること」でも「最短時間でお風呂に入ること」でもありませんよね?
家庭の本来の目的は、**「家族がお互いに愛し合い、成長し、安らげる場所であること」**のはずです。 それなのに、親が「管理職」になりきって効率ばかり追求すると、その目的(安らぎ)は完全に失われてしまいます。
マネジメントとリーダーシップの違い
ここで重要な用語の整理をしましょう。
- マネジメント(管理): 物事を正しく行うこと。はしごを効率よく登ること。
- リーダーシップ(方向付け): 正しい事を行うこと。はしごを掛ける場所が正しいか判断すること。
多くの親は、子供がはしごを登るスピード(能率)ばかり気にしています。 「もっと速く登れ!」「足の動かし方が違う!」と。
しかし、もしそのはしごが**「子供が本当に登りたい壁」**にかかっていなかったら? どれだけ効率よく登らせても、子供は不幸になるだけです。親に必要なのは、「この子はどこに向かっているのか?」を一緒に考えるリーダーシップなのです。
リハビリ視点:生き物に「効率」を強要してはいけない
医療の現場でも同じことが言えます。
骨折が治るスピードや、歩けるようになるペースは人それぞれです。 それを無視して「効率が悪いから、明日までに治せ!」と命令しても、身体は壊れるだけです。
子供も同じ生き物です。 「靴を履くのに時間がかかる」「ご飯をこぼす」 これは非効率に見えますが、**「成長のために必要なプロセス」**です。
それを「遅い!」と切り捨てて親がやってしまったり(効率化)、ルールで縛り付けたりするのは、植物の芽を無理やり引っ張って伸ばそうとするのと同じくらい乱暴なことなのです。
ルールよりも「想い」を共有しよう
では、どうすればいいのでしょうか。 今日から、**「ルール(規則)」よりも「想い(目的)」**を語ってみてください。
- ×「19時だからご飯を食べなさい」(ルール・効率)
- 〇「みんなで楽しく話しながらご飯を食べたいな」(想い・目的)
子供は「管理」されることには反発しますが、「想い」には応えようとします。 効率を少し手放して、無駄に見える会話や寄り道を許容すること。それが結果として、家族の信頼という最強の効率を生み出します。
まとめ・アクションプラン
今回の記事の要点をまとめます。
- 多くの親が、家庭を会社のように「効率・能率」で管理しようとして失敗している。
- 親に必要なのは、はしごを登らせる管理(マネジメント)ではなく、はしごを掛ける場所を示すリーダーシップである。
- 生き物の成長に効率は通用しない。ルールよりも「家族の想い」を共有することを優先すべき。
Next Action:今日は「時計」を外そう
今日、家に帰ったら、あるいは休日の半日だけでも構いません。 **「時計を見ずに子供と過ごす時間」**を作ってみてください。
「早く!」という言葉が出そうになったら、グッと飲み込んで、「この子のペースを見守ってみよう」と自分に言い聞かせます。 その非効率な時間の中にこそ、あなたが本当に求めている「家族の幸せ」が隠れているはずです。
この「リーダーシップ」と「マネジメント」の違いを深く理解し、子育てや人間関係に応用したい方は、**『7つの習慣』**をぜひ読んでみてください。 特に第2の習慣(目的を持って始める)は、親としてのあり方を根本から変える力を持っています。
