自己啓発

PB黒字化目標が日本経済を停滞させた本当の理由とは?緊縮財政の裏側を解説

taka

多くの人が悩んでいる「なぜ日本経済は長年低迷しているのか?」という問題。その大きな要因のひとつが、財務省が推し進めてきた「PB黒字化目標」です。今回は、この財政目標がどうして問題なのかを、わかりやすく解説します。

まず、「PB」とは「プライマリーバランス(基礎的財政収支)」の略で、国の借金(国債)の利払いを除いた支出と、税収などの収入の差額を意味します。これを黒字にする、つまり利払い以外の支出はすべて税収でまかなう、というのが「PB黒字化目標」です。

この目標は、実は「政府債務対GDP比率」を下げるために導入されたものです。この比率は、政府の借金を国の経済規模(名目GDP)で割ったもので、これが下がれば「財政が健全だ」とされます。

ところが、PB黒字化を目指すことで政府は支出を抑える、つまり「緊縮財政」を強いられます。すると、国が十分な需要を生み出せず、経済が停滞。結果として、名目GDP(分母)が増えないため、比率は下がらないどころか、むしろ上がるという悪循環に陥っているのです。

このようにして、日本は以下のような“狂ったループ”を繰り返してきました:

  1. PB黒字化目標によって、政府の支出(需要創出)が抑制される
  2. 需要不足でデフレが続き、名目GDPが増えない
  3. 名目GDPが伸びないから、政府債務対GDP比率が改善しない
  4. 比率が悪化しているとされ、さらにPB黒字化が求められる

そしてまた、1に戻る……という負のスパイラルです。

実際、世界でこのようなPB黒字化目標を掲げているのは日本だけです。なぜなら、政府が黒字を出すということは、民間(つまり国民)が赤字になるということ。お金はどこかから出てどこかに入るもので、政府が黒字になれば、誰かが支出を強いられるということなのです。

つまり、PB黒字化とは“国民赤字化目標”でもあるのです。

こうした状況を政治家や国民が正しく理解していないため、減税などの景気刺激策が遠のき、緊縮財政が続けられてしまっているのです。

さらに問題なのは、財務省が用いている“統計のトリック”。たとえば「税収弾性値(税収がGDPの伸びに対してどれだけ増えるか)」について、財務省は「1.1」と低く見積もっています。しかし、実際の過去データを見ると、この数値は3%以上であることが多く、明らかに控えめすぎます。

なぜこんな操作をするのか。それは、税収があまり増えないという前提で予算を組み、結果として税収が“予想以上”に増えたら、国債の返済に回してしまうからです。これが財務官僚の「評価」につながる仕組みになっているのです。

このようにして、「支出は多めに見積もり、税収は少なく見積もる」ことで、財務省は表向きの“財政再建”を演出し、実際には国民生活への投資を削り、経済成長を妨げてきました。

日本の経済を本当に再生するには、この「PB黒字化信仰」から抜け出すことが必要不可欠です。そして、「税収は使ってはいけない」「減税は財源がないからダメ」といった幻想を払拭することが、政治家にも国民にも求められています。

この情報が皆さんのお役に立てば幸いです。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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