手法は使い捨てだが「原則」は不変。時代を超えて通用する思考法
あなたは今、新しいSNSの集客法や、最新のマネジメント手法といった**「テクニック(手法)」**を学ぶために時間を費やしていませんか?
もちろん、手法を学ぶことは大切です。しかし、時代や状況が変わると、その手法はすぐに使えなくなってしまいます。 そして、また新しい手法を追いかけ、疲弊していく……。
なぜ、成功した経営者や、家庭円満な人たちは、流行に流されずに一貫した成果を出し続けられるのでしょうか?
この記事では、世界的ベストセラー『7つの習慣』の著者、スティーブン・R・コヴィー博士の言葉を借りて、**「手法は個々の状況に応じて使い分けるが、原則は普遍である」**という、成功の本質的な真理について解説します。
結論から言うと、「魚の釣り方」を学ぶより、「魚が棲む川の性質」を学ぶ方が、はるかに人生の役に立ちます。
手法は「流行り廃り」があるが、原則は「普遍的」
まず、コヴィー博士は「手法(テクニック)」と「原則(原理原則)」を明確に区別しています。
- 手法(テクニック):個々の状況に応じて使い分ける具体的な「やり方」(例:〇〇会議術、最新のSNS広告設定)。
- 原則(原則):あらゆる状況に普遍的に応用できる「深い基本の真理」(例:誠実さ、信頼、公正さ)。
想像してみてください。 最新のスマートフォン操作法(手法)は、毎年新しい機種が出るたびに変わってしまいます。 しかし、「ボタンを押せば起動する」「電気が流れる」という物理法則(原則)は、何年経っても変わりません。
原則は「自然の法則」と同じ
人間関係やビジネスも同じです。 「信頼」という原則は、どんなに時代が変わっても普遍です。
- 約束を守る → 信頼される(原則)
- 嘘をつく → 信頼を失う(原則)
この真理は、個人にも、夫婦にも、会社にも、国にも、あらゆる状況に普遍的に応用できます。
手法(テクニック)が「流行り廃りがある一時的なファッション」だとすれば、原則は「何百年も変わらない地球の重力」のようなものなのです。
原則が身につけば「社員が自分で考え出す」
企業や組織において、この原則中心のパラダイムが根付くと、驚くべき変化が起こります。
企業がこれらの真理を組織内に習慣として根づかせれば、社員は状況に応じて対処する多種多様な手法を自分で考え出すことができる。
多くの会社は、社員に「マニュアル(手法)」を渡して「この通りにやれ」と言います。 これだと、マニュアルに載っていない予期せぬトラブルが起きたとき、社員は動きが止まってしまいます。
しかし、「お客様に対して、常に誠実であること」という原則だけを教えればどうでしょうか? 社員は、自分の良心と創造力を使って、「この状況なら、お客様の信頼を回復するには、マニュアルにないけれど、こうするのが一番だ」と自分で答えを導き出せるようになります。
これは、管理職の負担を減らすだけでなく、社員一人ひとりの応用力と主体性を飛躍的に高めることにつながります。
人生を「原理原則」に委ねる安心感
自分の人生においても同じです。 日々、多くの誘惑や困難に直面したとき、いちいち「どうすればいいか?」と迷う必要はありません。
**「私は誠実という原則に従って生きる」**と決めていれば、
- 目の前の小さな嘘(手法)で目先の利益を取るか?
- 誠実さ(原則)を貫いて信頼という資産を得るか?
という判断は、瞬時にできるようになります。
原則を土台にすることで、人生にブレがなくなり、心が安定します。 なぜなら、あなたは「流行」という不安定なものに身を委ねるのではなく、「普遍の真理」という強固な土台の上に立っているからです。
まとめ・アクションプラン
小手先のテクニックを追うのをやめ、一生使える「原則」をインストールしましょう。 今回のポイントは以下の3点です。
- 「手法(テクニック)」はすぐに使えなくなるが、「原則(信頼、公正など)」は時代を超えて普遍である。
- 原則を土台にすれば、個人でも組織でも、状況に応じた最善の手法を自分で編み出せるようになる。
- 原則中心の生き方は、人生のあらゆる場面での判断にブレがなくなり、精神的な安定をもたらす。
Next Action
あなたが今学んでいる「最新の手法」や「時短テクニック」を、一度ノートに書き出してみてください。
そして、その手法の隣に、**「この手法の背後にある、変わらない原則は何だろう?」**と問いを書いてみましょう。
例:「最新のSNS広告→(原則)人の心をつかむコミュニケーション」
この思考の転換が、あなたの学びを一時的な知識ではなく、一生使える「知恵」へと変えていきます。 その「原則」を学ぶための最高のテキストが、**『7つの習慣』**です。ぜひ「第2の習慣」からその普遍の真理を掴み取ってください。
