自己啓発

「あいつのせいで怒った」は嘘である。不機嫌な人が知らない「反応を選ぶ能力」

taka

「雨が降ったから、気分が憂鬱だ」 「上司に怒鳴られたから、腹が立って一日中イライラした」

私たちは日常で、このように「外の出来事(刺激)」のせいで「自分の気分(反応)」が決まると信じています。 しかし、本当にそうでしょうか? 同じ雨でも「お気に入りの傘が使える!」と喜ぶ人もいれば、上司に怒られても「勉強になった」とケロッとしている人もいます。

実は、感情的になりやすい人と、常に穏やかな人の違いは、あるたった一つの「能力」を知っているかどうかにあります。

この記事では、『7つの習慣』の第1の習慣である**「主体性」と、そこに含まれる「レスポンシビリティ(責任)」**の真の意味について解説します。

結論から言えば、**「あなたを傷つけることができるのは、あなた自身だけ」**です。 状況や他人のせいにせず、自分の感情を自分で「選ぶ」技術を身につければ、人生のストレスは激減します。

「責任」という言葉の冷たい誤解

「責任」という言葉を聞くと、どんなイメージを持ちますか? 「責任を取れ!」「お前のせいだ!」と責められるような、重苦しいイメージを持つ方が多いかもしれません。

しかし、英語の「Responsibility(責任)」を分解すると、まったく違うポジティブな意味が見えてきます。

Response(反応)+ Ability(能力)

コヴィー博士はこう定義しました。 「Responsibility = Response(反応する) + Ability(能力)」

つまり、責任とは「何か起きた時に、どう反応するかを自分で選ぶ能力」のことなのです。 「上司に怒鳴られた」という事実は変えられませんが、それに対して「落ち込む」のか「聞き流す」のか「反骨心に変える」のか、その反応を選ぶ能力(主導権)は、常にあなたの手元にあるのです。

人間には「一時停止ボタン」がある

動物は刺激に対して直接反応します。 パブロフの犬のように、ベルが鳴れば(刺激)、よだれが出る(反応)。ここには選択の余地がありません。

しかし、人間は違います。 「刺激」と「反応」の間には、「スペース(選択の自由)」があります。

主体性のある人は、嫌なことがあった瞬間、心の中で**「一時停止ボタン」**を押します。 そして、そのスペースの中で考えます。 「さて、今の状況に対して、感情的に怒るのが得策か? それとも冷静に対処するのが自分の価値観に合っているか?」

この一瞬の「間」を持てるかどうかが、あなたの人生を決めると言っても過言ではありません。

リハビリ現場で見る「主体性」の力

私は医療(リハビリ)の現場でも、この「主体性」の差を目の当たりにします。

  • 反応的な人: 「先生が治してくれない」「痛いから今日はやらない」と、状況や他人のせいにします。
  • 主体的な人: 「今の自分にできる運動は何か?」「この痛みは回復の過程だ」と、自分の行動を選択します。

どちらが早く回復するかは、言うまでもありません。 「状況(病気や環境)」は選べなくても、「態度」は選べます。 「自分の行動は、一時的な感情の結果ではなく、価値観に基づいた自分自身の選択の結果である」 このマインドセットを持つことが、人生のリハビリにおいても最強の武器になるのです。

今日から「反応」を選び直すトレーニング

いきなり完璧な主体性を持つのは難しいですが、小さなことから練習できます。

  1. 言葉を変える 「~させられた」「~しなきゃいけない」という言葉(被害者の言葉)をやめ、「私は~を選択する」「私は~のほうがいいと思う」と言い換えましょう。
  2. 一時停止を意識する イラッとしたら、深呼吸を一つ。その瞬間に「今、私は試されている。どう反応するか選べるぞ」と自分に言い聞かせてください。
  3. 天気のせいにしない まずは「天気」や「渋滞」など、どうしようもないことに対して不機嫌になるのをやめることから始めてみましょう。

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まとめ・アクションプラン

今回の記事の要点をまとめます。

  • 主体性とは、状況に流されることではなく、自分で反応を選択すること。
  • **責任(Responsibility)**とは、「反応(Response)を選択する能力(Ability)」のことである。
  • 刺激と反応の間には**「スペース」**があり、そこで一時停止して価値観に基づいて行動を選べるのが人間の特権である。

【Next Action:読者が次に取るべき行動】

もし今日、誰かに嫌なことを言われたり、思い通りにいかないことがあったら、こう心の中でつぶやいてください。 「私は、この出来事に対して『不機嫌になること』を選ばない」

自分で自分のご機嫌を取る。これこそが、大人の最強のスキルです。

この「主体性」という概念は、『7つの習慣』の最初にして最大の難関です。 しかし、ここさえクリアできれば、あとの6つの習慣はスムーズに身につきます。ぜひ、原著でコヴィー博士の力強い言葉に触れてみてください。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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