“パラダイム”を疑う勇気──思い込みが人生の限界を決めてしまう理由【7つの習慣】
“パラダイム”を疑うとはどういうことか?
『7つの習慣』の核心の一つに「パラダイム」という考え方があります。
パラダイムとは、簡単に言えば “物事をどう捉えるかというレンズ” のこと。
コヴィー博士は、このレンズが歪んでいると、人生のあらゆる行動・思考・判断が歪んでしまい、結果として自分の可能性を大きく狭めてしまうと警告しています。
今回は、その「パラダイム」を理解し、日常でどのように活かすかを整理してみます。
あなたの周りにもいませんか?こんな“思い込みの言葉”
次のようなセリフ、どこかで聞いたことがあるかもしれません。
- うちの会社の商品力では勝てるはずがない
- 評価が低すぎる。役職さえあればもっとできるのに
- 会社がダメだから業績が悪いんだ
- 成功する人は、最初から運命が決まっている
- 自分には才能がない。生まれも環境も良くないし仕方ない
- あいつにできるわけがない。やったこともないのに
- 有名企業にいれば何だってできるんだろうな……うらやましい
- この立場じゃここが限界。どうしようもない
- コネも人脈もないからチャンスなんて来るわけがない
これらの言葉を発している人は、おそらく“本気でそう信じている”はずです。
しかし、ここに共通する問題があります。
すべてが「外側の要因」に原因を求めていること。
そして、その外側の要因が「変えられないもの」である場合、本人は必然的に何も変えられなくなります。
こうして、自分で自分の限界を決めてしまうのです。
パラダイムとは何か?──“真実のように見える思い込み”
パラダイムとは、
物事を見るためのレンズであり、世界をどう捉えるかを決める枠組み
のことです。
眼鏡のようなものだ、とコヴィー博士は例えます。
レンズが曇っていれば、世界は曇って見えます。
レンズが色づいていれば、世界はその色で見えてしまいます。
しかし、そのレンズを通して見ている本人は、
「これが真実だ」
と本気で信じているため、自分がフィルター越しに世界を見ていることに気づきません。
思い込みのパラダイムが生む“悪循環”
誤ったパラダイムを持っていると、次のような負のループに陥ります。
- 外的要因が原因だと思い込む
- 自分にできることがないと感じ、行動しなくなる
- 行動しないため成果が出ない
- 「ほら、やっぱり自分には無理なんだ」と思い込む
- パラダイムがさらに強化される
この構造はとても強力で、一度はまると抜け出すのが難しくなります。
だからこそコヴィー博士は、
「まずパラダイムを疑うことからスタートせよ」
と言うわけです。
では、どうやってパラダイムを疑うのか?
最初の一歩は、次の問いを自分に投げかけることです。
「本当にそうだろうか?」
シンプルですが強力な問いです。
- 「うちの会社の商品では無理だ」
→ 他社は同じ条件で成功していないだろうか? - 「評価が低すぎる」
→ 評価されるために自分ができる行動は本当にゼロだろうか? - 「才能がない」
→ 本当に“才能”が必要なのか?努力や積み重ねで補えないか? - 「あの人はこういう人だ」
→ それはただの思い込みではないか?別の可能性は?
このように一つひとつの思考を疑っていくと、
“思い込みの壁”にひびが入っていきます。
パラダイムが変われば、見える世界が変わる
パラダイムを変えるというのは、
現実をねじ曲げることではなく、現実の捉え方を変えること。
そして捉え方が変わると、行動が変わります。
行動が変われば、結果が変わります。
結果が変われば、さらに新しいパラダイムが形成されます。
● 例:同じ会社でも“見える景色”は全然違う
同じ職場にいても、
- 「会社はダメだ」と思う人
- 「自分の成長機会がある」と捉える人
では、同じ出来事でも意味づけがまったく違います。
この差は、能力の差ではありません。
パラダイムの差です。
“あの人はこういう人だ”を疑ってみる
この記事を書きながら私自身にも刺さった部分があります。
「あの人はこういうタイプだ」と決めつけてしまい、それ以上深く理解しようとしない態度はなかったか?
実は違う側面を持っている可能性に気づけなかったのではないか?
パラダイムを疑うことは、自分を変えるだけでなく、
人間関係を好転させる力も持っています。
まとめ──パラダイムを変えることは“人生の見え方”を変えること
- パラダイムとは、物事を見るためのレンズ
- 誤ったパラダイムは、自分に限界をつくってしまう
- まず「本当にそうだろうか?」と疑うことから始まる
- パラダイムが変わると、世界の見え方、行動、成果が変わる
『7つの習慣』において、パラダイムを見つめ直すことはすべての出発点です。
どれだけスキルを学んでも、レンズが歪んだままでは成果につながりません。
今日一日、たったひとつでいいので
「本当にそうだろうか?」
と自分の思い込みを問い直してみてください。
その小さな問いが、大きな変化の第一歩になるはずです。
