実質賃金4年連続減、日本を救う唯一の処方箋
止まらない賃金下落、失われた30年の正体
2025年の実質賃金指数が公表された。結果は対前年比マイナス1.3%。これで4年連続のマイナスとなったわけだが、これは単なる短期的な不調ではない。ピークであった1996年と比較すると、我々の実質賃金はすでに18%も下落しているのだ。30年近く働き続けて、豊かになるどころか貧しくなり続けている。これが今の日本の偽らざる現実であるといえる。
「見せかけの賃上げ」に騙されてはいけない
そもそも実質賃金とは「物価の影響を除いた賃金」のことだ。たとえ額面の給料が5%上がったとしても、物価が10%上がってしまえば、買えるモノやサービスの量は減ってしまう。これでは「豊かになった」とは言えないだろう。実質賃金を引き上げるためには、物価上昇率以上に名目賃金を引き上げる必要がある。そのための変数は主に4つ。「輸入物価」「消費税」「生産性」、そして「労働分配率」だ。この中で、政治が即座に介入でき、かつ効果が確実なものは限られている。
精神論では限界がある労働分配率と生産性
まず「労働分配率」だが、大企業はともかく、中小企業の分配率はすでに限界に近い。利益の多くを人件費に回し、アップアップの状態だ。これ以上上げろというのは無理な相談だろう。次に「生産性」の向上。これは一人当たりの生産量を増やすことだが、そのためには企業の投資が不可欠だ。しかし、需要が拡大する見込みがなければ、企業は設備投資を行わない。デフレマインドが抜けない中で「投資しろ、生産性を上げろ」と叫んでも、それは空虚な精神論に過ぎないのだ。
消費税減税こそが最強の経済対策である理由
そこで唯一残された、かつ最強の手段が「消費税減税」である。消費税を下げれば、強制的な物価上昇圧力を取り除くことができる。ドイツの事例では、減税幅の約7割が物価下落に反映されたというデータがある。仮に消費税を5%に下げれば、3〜4%程度の物価押し下げ効果が見込めるだろう。給料が変わらなくても、物価が下がれば実質賃金は確実に上昇する。
さらに、減税によって消費者の購買力、つまり需要が拡大すれば、企業は投資を増やす判断ができるようになり、結果として生産性も向上する。中小企業の手元にも利益が残りやすくなり、それが賃上げの原資となる。今、高市内閣や国民会議で議論すべきは、小手先の補助金ではない。この単純かつ強力な経済原理に基づいた、消費税減税という決断なのだ。
