恐怖を闘志に変える|ウィリアム・ジェームズに学ぶ「逆境を幸福に変える心の力」
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Taka Knowledge Output
「魂とは鉢に入った水のようであり、外部の物事のとらえ方とは光が水に降りかかるようなもの。」
ストア派の哲学者エピクテトスは『語録』で、心の状態をこう例えました。水が波立つと光が揺れて見える。しかし実際に揺れているのは光ではなく水。人が平静を失うときも同じで、乱れているのは徳や知識そのものではなく、それを宿す魂なのです。
誰にでも、自制を失う瞬間があります。
こうしたとき、多くの人は「自分は未熟だ」「理性的でいられない」と落ち込みます。しかしエピクテトスは言います。「それがどうしたというのか?」
一時的に心が乱れても、あなたが積み重ねてきた哲学や理性が消えてしまうわけではありません。
つまり、自制を失ったことそのものよりも、「もうダメだ」と思い込むことのほうが害になるのです。
エピクテトスが勧めるのは、立ち止まって心が静まるのを待つことです。
感情の嵐は永遠には続きません。静けさは必ず戻ってくるのです。
誰しも感情に揺さぶられる瞬間はあります。しかし、それであなたの理性や徳が壊れるわけではありません。
エピクテトスの言葉を思い出してください。
「魂が静まれば、知識や徳も元に戻る。」
一瞬の混乱に自分を委ねる必要はありません。立ち止まり、心が静まるのを待てば、再び理性を取り戻し、平静に歩み続けることができるのです。