誘いを断ると罪悪感が…。「言い訳なし」で断っても人間関係が壊れない理由
「飲み会に誘われたけど、本当は勉強したい……でも断りづらい」 「頼まれ仕事を安請け合いして、自分の時間がなくなってしまった」
あなたは普段、こんなふうに**「なんとなくのイエス」**を連発していませんか?
相手を傷つけたくない優しさは素晴らしいですが、その代償として、あなた自身の人生が削られているとしたら問題です。
理学療法士としてリハビリ計画を立てる時、私は患者さんに厳しいことを言います。「歩けるようになりたいなら、一日中ベッドでテレビを見る(楽な時間)のはやめてください」と。 何かを得るためには、何かを捨てなければなりません。
この記事では、コヴィー博士の言葉をヒントに、罪悪感なく「ノー」と言えるようになるための心理テクニックについて解説します。
結論をお伝えします。 断れないのは、勇気がないからではありません。 あなたの中に、それを上回る「やりたいこと(イエス)」が燃えていないからです。
「最良」の敵は「良い」である
コヴィー博士は、私たちの時間を奪う最大の敵について、意外な正体を明かしています。
多くの場合、「最良」の敵は「良い」である。
「悪いこと(悪)」を断るのは簡単です。犯罪や、明らかに損な話には誰でも「ノー」と言えます。 しかし、**「良いこと(良)」**を断るのは至難の業です。
- 「ちょっといい話があるんだけど(良い)」
- 「地域のボランティアに参加しませんか(良い)」
- 「面白そうな映画が公開された(良い)」
これらは全て「良いこと」です。しかし、これら全てにイエスと言っていたら、人生で一番大切な**「最良のこと(家族との時間、夢への挑戦)」**をする時間がなくなってしまいます。
人生はビュッフェと同じです。「ポテトもサラダも(良い)」とお腹いっぱい食べてしまったら、メインディッシュの「特選ステーキ(最良)」が入らなくなります。 「最良」を食べるために、「良い」を捨てる勇気が必要なのです。
断るためのエネルギー源は「内なるイエス」
では、どうすれば「良い誘い」を断れるようになるのでしょうか? 気合や根性ではありません。
ためらわずに「ノー」と言うためには、それよりも強い「イエス」、もっと大事なことが、あなたの内面で燃えていなくてはならない。
「燃えるようなイエス」を持っていますか?
例えば、あなたが「今から1億円が当たる宝くじの交換に行く(燃えるようなイエス)」という状況だったらどうでしょう? 上司から「ちょっと残業してくれないか?」と頼まれても、**「すみません! 今日は外せない用事があるので!」**と、迷わず、明るく、即答で断れますよね?
断れない人は、性格が弱いのではありません。 「絶対にこれを優先したい!」という目的(イエス)が明確でないだけなのです。
理学療法でも、「なんとなく健康になりたい」という人はリハビリをサボります。 しかし、「来月、娘のバージンロードを一緒に歩くんだ!」という強烈なイエスを持っているお父さんは、テレビの誘惑(良いこと)を断ち切って、リハビリに没頭します。
明るく、にこやかに、弁解せずに
自分の芯が決まれば、断り方も変わります。
それ以外のことには勇気を持って、明るくにこやかに、弁解がましくなく「ノー」と言えなければならない。
ここでのポイントは**「弁解がましくなく(言い訳をせずに)」**という点です。
「えーっと、行きたいんですけど、ちょっと体調も微妙で、妻もうるさいし……」 とグダグダ言い訳をするのは、**「自分の優先順位に自信がない証拠」**です。これでは相手も「じゃあ調整したら来れる?」と食い下がってきます。
「今回は遠慮しておきます! 家族との時間を大切にしたいので!」 そうやって明るく(Smile)、きっぱりと断る人は、逆に信頼されます。 「あの人は自分の軸を持っている人だ」と、一目置かれるようになるのです。
まとめ・アクションプラン
記事の要点をまとめます。
- 私たちの時間を奪うのは「悪いこと」ではなく、「どうでもいい良いこと」である。
- 断れないのは勇気不足ではなく、自分の中に「燃えるようなイエス(目的)」がないから。
- 一番大切なものを守るためなら、笑顔で言い訳せずに「ノー」と言っていい。
すべての人に好かれようとしないでください。それは不可能です。 その代わり、自分にとって一番大切な人やコトには、全力で愛を注いでください。それが本当の誠実さです。
Next Action:手帳に「予定」をブロックする
「ノー」と言う練習として、今すぐ手帳を開いてください。 そして、来週のどこかで2時間、**「自分だけの聖域(燃えるようなイエス)」**の時間を確保し、赤ペンで書き込んでしまいましょう。
- 「読書の時間」
- 「一人でカフェに行く時間」
- 「副業の勉強時間」
もしその時間に誰かから誘われたら、こう言って断る練習をしましょう。
「ごめんなさい、その時間は先約(自分との約束)があるんです!」
嘘ではありません。あなたは「自分」という一番大切なアポイントを入れているのですから。
