『うまくいく人は自分にやさしい』を読む|完璧を手放す人ほど人生が豊かになる理由
『うまくいく人は自分にやさしい』を読む:自分を追い詰めない生き方のすすめ
「もっと頑張らなきゃ」「まだまだ自分は足りない」。
そう思いながら日々を過ごしていませんか?
多くの人が、努力と根性で成果を出そうとする一方で、心のどこかで「これでいいのか」と疲れを感じています。
今井孝著『うまくいく人は自分にやさしい』(すばる舎)は、そんな“がんばりすぎる人”に寄り添いながら、
「自分にやさしくすることが、実は人生をうまくいかせる最短ルート」だと教えてくれる一冊です。
「自分にやさしくする」は甘えではない
「自分にやさしくする」と聞くと、「サボる」「怠ける」といった印象を持つ人もいるかもしれません。
しかし、著者が言う“やさしさ”は**「不完全な自分を受け入れる勇気」**のこと。
完璧じゃなくていい。
苦手なことは人に頼ってもいい。
間違えても、それを責める必要はない。
この“許し”の感覚を持てる人ほど、挑戦を恐れず、自然体で成果を出していく。
実際に著者の周りにいる成功者も、「できない自分を認められる人」ばかりだといいます。
自分にやさしい人がうまくいく3つの理由
なぜ、自分にやさしくするとうまくいくのか?
著者はその理由を次の3つに整理しています。
- 挑戦できるようになる
失敗しても自分を責めないから、自然と新しいことにトライできる。 - 人間関係が良くなる
自分に厳しい人は他人にも厳しくなりがち。逆に、自分にやさしい人は他人にも寛容になれる。 - 自分に許可を出せるようになる
「楽しんではいけない」「頑張らないとダメ」といった思い込みを手放せる。
つまり、自分にやさしくすることは、「行動の自由」「人とのつながり」「心の余白」を生み出すスイッチなのです。
「高すぎる目標」があなたを苦しめていないか?
完璧主義の人ほど、高い目標を掲げがちです。
「結果を出さないと価値がない」と思い込んでいるからです。
でも、目標は「自分を追い込むため」ではなく、「人生を楽しむためのツール」であるべき。
著者は言います。
「目標を持たずとも幸せなら、それでいい。」
そして、目標を立てるなら「飛び上がるほどうれしいもの」を選ぶこと。
さらに「及第点」を設定し、「ここまでできたらOK」と自分に合格点を出してあげることが大切です。
成功のコツは、“小さな成功体験を積み重ねること”。
「週1回のウォーキング」「1日5分の勉強」など、無理のない一歩を続けていくと、
やがて「やればできる」という自信が芽生えていきます。
「今の自分」を愛することからすべてが始まる
多くの人は「成功したら自分を好きになれる」と考えがちですが、
実はその順番が逆です。
「自分を認めて愛するから、望んだ結果が手に入る。」
今の自分に「OK」を出せない人は、どんなに結果を出しても満足できません。
むしろ、「○○があれば」「もっと○○だったら」と欠乏感を増やしてしまうのです。
著者は、どんなときも「今の自分をスタート地点にする」ことをすすめます。
「条件がそろったら」ではなく、「今できること」から始める。
それが、幸せと豊かさを引き寄せる第一歩です。
「好きなこと」が才能を呼び覚ます
本書の中で印象的なのは、
「好きなことをすることが、人生を好転させる最短ルート」というメッセージ。
著者自身、子どもの頃から読書が好きで、
それがきっかけでビジネス書の著者・講師としてのキャリアにつながったと語っています。
好きなことをしているとき、人は自然と集中し、創造的になります。
「好き」は、単なる娯楽ではなく、才能の源泉なのです。
「やりたいことなんて見つからない」という人も、まずは「少しでも楽しい」と思えることを続けてみましょう。
小さな好きが、やがて大きな道を開きます。
「頼る」ことは弱さではなく、成熟の証
自分に厳しい人が最も苦手とするのが「人に頼ること」。
でも、実は「頼る力」こそが人生を豊かにする要素だと著者は言います。
「一人でできる」よりも、「誰かと力を合わせてできる」方が、はるかに大きな成果を生む。
そして、人は「頼られることで幸せを感じる」生き物です。
人に頼ることは、相手に喜びを与えることでもあるのです。
そのための実践法として、著者は「周りの人の“好きな仕事リスト”をつくる」ことを提案します。
誰がどんなことを楽しんでいるかを知っておけば、気持ちよく助け合える関係が築けるでしょう。
まとめ:やさしさは最強の生き方戦略
『うまくいく人は自分にやさしい』は、
「がんばることが美徳」とされてきた日本人の思考をやわらかく解きほぐす一冊です。
完璧を目指すより、不完全なまま前に進もう。
自分を責めるより、まずは「よくやってるよ」と声をかけよう。
自分にやさしくなることは、怠けることではなく、自分を信じること。
そして、自分を信じられる人こそが、人生を豊かに生きられるのです。
💡こんな人におすすめ
- 常に自分を責めてしまう完璧主義タイプ
- 頑張っているのに心が満たされない人
- 「もっと楽に生きたい」と感じている人
