マルクス・アウレリウスは『自省録』でこう述べています。
「理性的な魂の特徴とは、自らを見つめ、自らを分析し、自ら決断を下すこと。自らの結ぶ実を自ら収穫すること……自らの目的を成し遂げること……」
これは、ストア派哲学における「理性の力」を端的に表す言葉です。
では、現代を生きる私たちが「理性的な人間」として過ごすには、具体的に何をすればよいのでしょうか?
1. 自分の内面を見つめる
理性的であるための第一歩は 内省 です。
外の世界の出来事はコントロールできませんが、自分の心の動きは観察できます。
- 今日の感情の波はどこから来たのか?
- 自分の行動は理性的な判断だったのか?
- それとも衝動や恐れに動かされていなかったか?
こうした問いを自分に投げかけることが、理性的な一日をつくります。
2. 自分を批判的に分析する
内省に続いて必要なのは 批判的分析 です。
ただ感情を眺めるだけでなく、それが合理的かどうかを吟味するのです。
例えば:
- 「自分は正しい」と思い込んでいるが、それは事実に基づいているか?
- 他人の言動を勝手に解釈していないか?
- 自分の価値判断は、社会の常識に染められていないか?
この作業は、自分の中の偏見や思い込みをあぶり出し、理性のフィルターを磨いてくれます。
3. 自分で決断を下す
最後に必要なのは、自分で決断することです。
理性的な人間とは、世間の流行や他人の意見に流されず、自分の理性に基づいて選択する人です。
もちろん、失敗することもあるでしょう。
しかし、自分の理性を働かせて決めたことなら、その結果も自分の実りとして受け入れられる。
これが「自らの結ぶ実を自ら収穫する」というアウレリウスの言葉の意味です。
まとめ ― 理性的に生きる3つの習慣
マルクス・アウレリウスの言葉を現代に置き換えるなら、理性的に生きるとは次の習慣を繰り返すことです。
- 内省する ― 自分の心を観察する
- 分析する ― 感情や判断を批判的に見直す
- 決断する ― 偏見に流されず理性に従って選ぶ
これらはシンプルですが、毎日続ければ確実に「理性的な人間」として成長していけます。