1日2回の「心と体のリセット習慣」——デール・カーネギーが教える手軽なリラックス法

疲労とストレスは「小さな習慣」で防げる

現代人は、常に何かに追われています。
仕事、家事、スマホ、情報——休む間もなく刺激が押し寄せ、
心も体も“休み方”を忘れてしまっている人が多いのではないでしょうか。

デール・カーネギーは『道は開ける』の中で、
そんな私たちに向けて「手軽に緊張を解きほぐす方法」を紹介しています。

「疲労と老化を防止するのに打ってつけの方法だ。
一日に二回、これをやってみるといい。」

それは、特別な道具も時間もいらない、
誰でもすぐにできる**“心身のリセット習慣”**です。

① ベッドで横になり、全身をゆるめる

まず最初に行うのは、最もシンプルなリラックス方法。

「疲れを感じたらベッドの上で横になって全身を伸ばす。
単に寝転ぶだけでもいい。」

ポイントは、“完全に力を抜くこと”。
スマホもテレビも消して、静かな空間で目を閉じましょう。
数分でも横になるだけで、血流が整い、脳の緊張が和らぎます。

② 穏やかな言葉で、心の波を整える

カーネギーは次に、心のリラックスを促すために
こんな肯定的な言葉を唱えることを勧めています。

「太陽は輝き、空は青く澄みわたり、
大自然は美しく、私は宇宙と波長を合わせて生きている。」

このようなイメージ言語は、
心理学でいう「アファメーション（自己肯定の言葉）」にあたります。

ポジティブな言葉を自分に語りかけることで、
脳内のストレスホルモンが減少し、
副交感神経（リラックスを司る神経）が活性化します。

③ 椅子に座ってもOK——どこでもできるリラックス

時間がなくて横になれないときは、椅子に座って行いましょう。

「背筋を伸ばして両手をだらりと下げ、
太ももの上に置く。」

この姿勢だけでも、緊張した肩や首が自然に緩みます。
意識的に**「脱力」**を心がけるのがポイントです。

デスクワーク中でも、1〜2分だけ姿勢を整えて呼吸を深めるだけで、
脳がリフレッシュし、集中力が回復します。

④ 足からリラックスを広げる

次に意識を「両足」に向けます。

「両足の筋肉をリラックスさせる。」

私たちは立っているだけでも無意識に足に力を入れています。
その緊張をゆるめることで、全身の筋肉も自然にほどけていきます。

足首→ふくらはぎ→太ももと、
体の下から順番に「緩める意識」を持つと効果的です。

⑤ ゆっくりと深呼吸する——神経を整える最強の方法

そして、リラックスの要となるのが呼吸です。

「ゆっくりと深呼吸をする。これは神経を落ち着かせるのに最適の方法である。」

深呼吸をすると、体内の酸素量が増え、
副交感神経が優位になり、心拍数と血圧が下がります。

1回の呼吸を「5秒吸って、7秒吐く」ペースで行うと、
脳が“安全”と感じて緊張がほぐれます。

⑥ 表情をゆるめる——顔の筋肉が心を変える

最後に、カーネギーはこう締めくくります。

「眉間のしわや緊張した口元を解きほぐす。」

これは意外と重要なポイントです。
心理学では、**「表情筋が感情に影響を与える」**ことがわかっています。

つまり、笑顔を作るだけで脳は「楽しい」と錯覚し、
ストレスホルモンを減らしてくれるのです。

眉間のしわを伸ばし、口角を少し上げる。
それだけで、心まで穏やかになります。

まとめ：1日2回の“リセットタイム”をつくろう

デール・カーネギーが教えるリラックス法は、
特別な環境や道具を必要としません。

• 横になって体をゆるめる
• 穏やかな言葉を唱える
• 深呼吸で神経を整える
• 表情をゆるめて心を穏やかにする

これを朝と夜の2回、数分だけでも実践することで、
心身のバランスが整い、疲れにくい体と安定した心が手に入ります。

「ストレスを減らす第一歩は、立ち止まり、深呼吸すること。」

今日から、あなたも1日2回の“リセット習慣”を始めてみませんか？

TAKA

理学療法士/ビール

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理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。