自己啓発

「絆創膏」で骨折は治らない。あなたの悩みが繰り返される残酷な原因

taka

「転職したのに、また同じようなタイプの上司と揉めている」 「ダイエットして痩せたのに、すぐにリバウンドして前より太ってしまった」

なぜ、私たちの悩みは形を変えて**「再発」するのでしょうか? それは、あなたが「問題を作り出したのと同じ思考レベル」**で、解決しようともがいているからかもしれません。

理学療法士として働いていると、痛感することがあります。 「腰が痛いからマッサージに行く(対処療法)」だけを繰り返す人は、一生腰痛と付き合うことになります。なぜなら、痛みの原因である「姿勢や生活習慣(根本)」が変わっていないからです。

この記事では、コヴィー博士の言葉を紐解き、**人生の根深い問題を解決するための「新しいレベルの思考」**について解説します。

結論をお伝えします。 壁にぶつかった時、必要なのは「壁を登るハシゴ(テクニック)」を探すことではありません。 「なぜそこに壁ができたのか?」を理解する、高い視点を持つことなのです。

絆創膏では「骨折」は治らない

まず、コヴィー博士の指摘を見てみましょう。

さまざまな問題は結局、個性主義(テクニック偏重)に従って生き、人間関係を築いてきたからだと気づくはずだ。(中略)問題をつくったときと同じ個性主義のレベルでは解決できないのだ。

少し耳が痛い話ですが、多くの人間関係のトラブルは、私たちが「自分の都合」や「小手先のテクニック(個性主義)」を使った結果として生まれています。

「個性主義」が生む堂々巡り

例えば、部下との関係が悪化した上司がいるとします。 原因は、上司が部下を「駒」として扱い、信頼関係を築いてこなかったことにあります(個性主義)。

ここで、この上司が**「よし、解決しよう!」**と思って、本屋で『部下を思い通りに動かす心理テクニック』という本を買ってきたらどうでしょうか?

  • 原因: テクニックで人を操作しようとしたこと。
  • 対策: 新しいテクニックで人を操作しようとすること。

これでは、**やっていることは全く同じ(同じレベル)**です。 どれだけ高級な絆創膏(テクニック)を貼っても、中の骨折(信頼の欠如)が治るわけがありません。むしろ、「また何か企んでいるな」と不信感を深めるだけです。

「思考のレベル」を変えるとは?

コヴィー博士はこう続けます。

新しいレベル、もっと深いレベルの思考が必要である。(中略)現実の場所を正確に描いた地図、すなわち原則に基づいたパラダイムが必要なのである。

アインシュタインも言ったように、**「問題が発生したのと同じ次元で、その問題を解決することはできない」**のです。

迷路を「上」から見る視点

これを「迷路」でイメージしてみてください。

  • 同じレベルの解決策: 迷路の中で「もっと速く走る」「大声で叫ぶ」。 これでは、壁にぶつかるだけで出られません。
  • 新しいレベルの解決策: ドローンのように**「空高く上昇して(視座を上げて)全体を見る」**。 上から見れば、「なんだ、あそこが右に曲がっていたのか」と、出口へのルートが一目瞭然になります。

人生における「ドローンの視点」こそが、**「原則(誠実さ、貢献、愛)」**です。

「どうすれば相手を操れるか(テクニック)」という地上の視点を捨てて、「どうすればお互いが幸せになれるか(原則)」という高い視点に立った時、初めて今まで見えなかった解決策が見えてくるのです。

リハビリ現場での「次元上昇」

私の現場での実例をお話しします。 「膝が痛い」と訴える患者さんに、ひたすら膝の治療(同じレベル)をしても治らないことがよくあります。

しかし、視点を変えて(レベルを上げて)全身を見ると、「実は股関節が硬すぎて、膝に負担がかかっていた」と気づくことがあります。 この場合、痛いのは「膝」ですが、治療すべきは「股関節」です。

人間関係も同じです。 妻(夫)が不機嫌なのが問題に見えても、視点を上げれば「自分の仕事中心の生活態度」が根本原因かもしれません。 そこに気づけば、妻の機嫌を取る(対症療法)のではなく、働き方を見直す(根本治療)という、全く違う解決策が打てるようになります。


スポンサーリンク

まとめ・アクションプラン

記事の要点をまとめます。

  1. 多くの悩みは、小手先のテクニック(個性主義)で生きようとした結果として起きている。
  2. 同じテクニック思考のまま解決しようとしても、それは「絆創膏」に過ぎず再発する。
  3. 解決には「思考の次元」を上げ、原則(誠実・公正)に基づいた地図を手にする必要がある。

「どうしてうまくいかないんだろう」と行き詰まったら、それは**「階段を登るサイン」**です。 同じ場所をぐるぐる回るのはやめて、一段高いところから問題を眺めてみましょう。

Next Action:問いかけを変える

今日から、問題にぶつかった時の「自分への問いかけ」を変えてみてください。

  • × 古いレベル: 「どうすれば、これを処理できるか?(How)」
  • 〇 新しいレベル: 「そもそも、なぜこれが起きたのか? 私のあり方に問題はなかったか?(Why / Who)」

この「あり方(Be)」への問いかけこそが、あなたを新しい次元へと引き上げてくれるハシゴになります。

スポンサーリンク
ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
スポンサーリンク
記事URLをコピーしました