考えすぎる前に動け──ウィリアム・ジェームズとデール・カーネギーが教える“決断力の磨き方”

「考えすぎ」が人生を止めてしまう

「もっと考えてから決めよう」――。
この言葉を、あなたも何度か自分に言い聞かせたことがあるかもしれません。
しかし、デール・カーネギーは『道は開ける』の中で、こう警鐘を鳴らしています。

「優柔不断になってグズグズしてはいけない。いったん疑念が生じると、さらに疑念が生じるだけだ。」

つまり、「考えすぎ」は、問題を解決するどころか、むしろ不安を増やす原因になるのです。

心理学者ウィリアム・ジェームズも、こう言葉を残しています。

「いったん決定をくだしたら、すぐに実行に移そう。その結果について不安を抱く必要はない。」

決断を迷うよりも、「行動して修正する」方がずっと早い。
行動のない思考は、ただの堂々巡りにすぎません。

「考えること」と「悩むこと」は違う

「よく考えること」は確かに大切です。
けれど、考えすぎて動けなくなると、それは“悩む”に変わります。

この違いを、石油王として知られる実業家 ウェイト・フィリップス は次のように語りました。

「抱えている問題について考えすぎると心配性になるおそれがある。もちろん考えるのはいいが、度を超すと有害だ。ある程度考えたら決定をくだし、迅速に行動を起こそう。」

つまり、思考には“賞味期限”があるのです。
考え続けても結果が出ないときは、それ以上は**「行動でしか答えが出ない段階」**に来ています。

多くの人が悩みを長引かせる理由は、「結論を出す勇気」ではなく、「動き出す勇気」が欠けているからなのです。

考えすぎを止める3つの実践法

ここでは、カーネギーやフィリップスの考え方をもとにした、
“考えすぎ”を防ぐ3つのシンプルな習慣を紹介します。

① 考える時間を「区切る」

問題を無限に考え続けないよう、「この件は30分だけ考える」と時間を設定しましょう。
制限を設けることで、思考が整理され、決断力が高まります。
時間を区切ることは、「思考の渋滞」を防ぐ最も効果的な方法です。

② 決めたら「即行動」する

ウィリアム・ジェームズが言うように、決めたことはすぐ行動に移しましょう。
小さな一歩でも構いません。
行動が伴うと、頭の中で膨らんでいた不安が現実のサイズに縮まり、冷静に対処できるようになります。

③ 振り返りは「一度だけ」

失敗しても、「なぜ失敗したか」を一度だけ分析し、すぐに次へ進む。
何度も後ろを振り返ると、心が過去に縛られます。
フィリップスも言いました。

「後ろを振り返って迷ってはいけない。」

失敗を悔やむ時間があるなら、次の挑戦に使いましょう。

行動が「自信」をつくる

優柔不断に悩む人の多くは、「正しい選択をしたい」という完璧主義の傾向があります。
しかし、人生に“絶対正しい選択”など存在しません。
選んだ後に行動し、結果を積み重ねていく中でしか「正解」は生まれないのです。

心理学的にも、**「行動によって自信が生まれる」**ことが証明されています。
人は、結果が出てから自信を持つのではなく、
「まず動いた」という事実によって、自分を信じられるようになるのです。

つまり、考えすぎるよりも“動くこと”のほうが、
あなたの人生にとってはるかにプラスに働きます。

「考える前に動く」は、成功者の共通点

多くの成功者が共通して持っているのは、“行動の早さ”です。

• スティーブ・ジョブズは「考えすぎるよりも、やって失敗したほうが早い」と語りました。
• 松下幸之助も「考えすぎて動かないより、まず一歩踏み出せ」と強調しています。

彼らはみな、**「完璧な計画より、即行動」**を選んできた人たちです。
デール・カーネギーが伝えたのも、まさにこの考え方でした。

「考えすぎることは、時に行動の敵である。」

まとめ：動けば、心配する暇はなくなる

考えすぎて動けないときは、「不安」があなたの思考を支配しています。
でも、行動を始めた瞬間、その不安は姿を消します。
なぜなら、行動の中では“いま”に集中せざるを得ないからです。

デール・カーネギーはこう締めくくっています。

「ある程度考えたら決定をくだし、迅速に行動を起こそう。後ろを振り返って迷ってはいけない。」

人生は、考えた時間ではなく、“動いた時間”によって変わっていきます。
迷ったら――まず一歩。
それが、悩みを断ち切り、前へ進む最も確かな方法です。

TAKA

理学療法士/ビール

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理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。