予定調和は時間の無駄。「先が見えない」話し合いこそが最高の結果を生む理由
「今日の会議も、結局誰かの意見が通っただけで終わってしまった……」 「もっと画期的なアイデアが欲しいのに、無難な案しか出ない……」
職場や家庭での話し合いにおいて、こんな閉塞感を感じていませんか? それはもしかすると、参加者全員が**「あらかじめ用意した答え」**に固執しすぎているからかもしれません。
この記事では、『7つの習慣』の著者コヴィー博士が提唱する**「シナジー(相乗効果)」**の真髄について解説します。
結論から言うと、本当にすごい結果を出したいなら、「話がどこに着地するかわからない不安」を楽しむ勇気が必要です。
この記事を読めば、あなたのコミュニケーションは「妥協点探し」から、誰も想像しなかった「新しい答え」を見つける冒険へと変わるでしょう。
シナジー(相乗効果)とは「1+1」が数倍になること
そもそもシナジーとは何でしょうか? ビジネス用語としてよく使われますが、コヴィー博士の定義は非常にエキサイティングです。
それは、Aさんの案とBさんの案を足して2にする(妥協)のではなく、AさんものBさんも思いつかなかった「第3の案(C案)」が生まれる瞬間のことです。
この図のように、お互いの違いを尊重し、心を開いてコミュニケーションをとると、脳が開放され、化学反応のように新しい発想が湧き出てきます。 これこそが、組織やチームで働く最大の醍醐味です。
「ゴールを決める」ことと矛盾しないのか?
ここで鋭い方は、ひとつの疑問を持つかもしれません。 『7つの習慣』には**「第2の習慣:終わりを思い描くことから始める(=ゴール設定)」**があります。
- 第2の習慣:「設計図(ゴール)をしっかり描いてから行動しよう」
- シナジー:「先行きがどうなるかわからないプロセスを楽しもう」
一見すると、この2つは矛盾しているように見えますよね? 「ゴールが見えないのに進むなんて、第2の習慣に反するじゃないか!」と。
「最高の結果」そのものをゴールにする
しかし、コヴィー博士は「これこそが第2の習慣の実践だ」と断言します。 ここが非常に重要なポイントです。
第2の習慣で描くべき「終わり(ゴール)」とは、必ずしも「売上〇〇円」「Aという新商品を作る」といった具体的な数値や形だけではありません。
シナジーにおけるゴールとは、以下のような**「状態」や「信念」をセットすること**です。
- 「当初の私の案よりも、はるかに良い結果にたどり着くぞ」
- 「このメンバーなら、未知のすごいアイデアが出せると信じる」
つまり、「自分一人の想像力の限界」をゴールにするのではなく、「私たちの可能性の限界」をゴールに設定するのです。
「ミステリーツアー」を楽しむ冒険心を持つ
これを小学生でもわかるように例えるなら、**「ミステリーツアー」**のようなものです。
- 通常の計画:「◯時にここに行って、◯時にこれを食べる」とガチガチに決める旅行。安心ですが、予想外の感動は少ないかもしれません。
- シナジーの計画:「とにかく最高に楽しい旅にする!」というゴールだけ決めて、その場の出会いや発見に合わせて行き先を変えていく旅行。
後者の場合、具体的な行き先(プロセス)はわかりません。不安もあるでしょう。 しかし、心には「きっとすごい景色に出会えるはずだ」という冒険心と意欲がみなぎっているはずです。
不安をワクワクに変える
シナジーを生み出すコミュニケーションは、スリリングです。 「話が脱線したな」「収集がつかないかも」と思う瞬間があるかもしれません。
しかし、そのカオス(混沌)の先にこそ、誰も見たことのない「新大陸」があります。 「先が見えない」と怖がるのではなく、**「今、私たちは新しい何かを生み出そうとしているんだ」**と信じて、そのプロセスを楽しんでください。
まとめ・アクションプラン
今回の記事の要点をまとめます。
- シナジーとは、妥協ではなく、誰も予想しなかった「第3の案」を生み出すこと。
- 「先が見えない」ことは悪いことではない。むしろ、想像を超える結果への入り口である。
- 「より良い結果になる」と信じること自体が、高次な「第2の習慣(ゴール設定)」である。
最後に、今日からできるアクションプランです。
【Next Action】 次の会議や家族会議で意見が割れた時、妥協案を探す前にこう言ってみてください。 「私の案でも、あなたの案でもない、もっとすごい『第3の案』がないか、一度ゼロベースで考えてみない?」 この一言が、あなたのチームの脳を「創造モード」に切り替えるスイッチになります。
