高市解散の衝撃と「支持率78%」の虚実
異例の解散と驚異的な支持率
1月23日、通常国会の開会と同時に衆議院が解散された。2月8日投開票という短期決戦である。ここで注目すべきは、高市内閣の支持率だ。前月からさらに上昇し、78.1%という驚異的な数値を叩き出している。石破内閣時の低迷と比較すれば、まさに異常事態とも言える人気ぶりである。
しかし、この数字を鵜呑みにして「高市内閣万歳」と賛美するのは、あまりに短絡的だと言わざるを得ない。なぜなら、この解散劇の裏には、国民生活を置き去りにした「政治的打算」が透けて見えるからである。
置き去りにされる「国民の声」
世論調査によれば、国民が今国会で最も求めているのは「経済・物価高対策」であり、その割合は約7割に達する。対して、政権が重視する外交や安全保障への関心はわずか6%程度に過ぎない。
にもかかわらず、高市首相は最優先であるはずの物価対策を後回しにし、消費税減税すら否定したまま解散に踏み切った。賃上げの最大の障壁となっている消費税に手をつけず、高い支持率を維持している今のうちに選挙を済ませてしまおうという魂胆は、国民への裏切りと言っても過言ではないだろう。
「内閣支持」と「政党支持」の乖離
選挙の行方を占う上で興味深いデータがある。内閣支持率は7割を超えているが、自民党の政党支持率はネット調査で18%程度に留まっているのだ。「高市氏は支持するが、自民党は支持しない」という層が確実に存在する。
一方で野党の構図にも地殻変動が起きている。かつて勢いのあった維新の会は、40代以下の支持率で共産党を下回るという衝撃的な低迷を見せている。代わって若年層の支持を集めているのが、国民民主党や参政党、れいわ新選組といった「積極財政派」である。特に国民民主は若者の支持が高く、既成政党への失望が世代間の断絶を浮き彫りにしている。
資金力か、民意か
今回の選挙は、圧倒的な資金力と組織票を持つ自民党が有利であることは否めない。しかし、内閣支持率の高さがそのまま自民党の議席増に直結するかは未知数だ。
特にネットを中心に、男性層が野党へ流れる傾向も顕著である。見かけの数字に惑わされず、政策の不一致と国民の生活実感のズレを直視した時、この選挙の結果は意外なものになるかもしれない。我々は冷静に、その一票の意味を問う必要がある。
