政治・経済

実質賃金マイナス続く高市政権の誤算

taka

高市政権誕生と冷厳なデータ

10月、自民党総裁選を経て高市政権が誕生した。高市総理個人の支持率は高いものの、自民党そのものへの支持率は依然として低い。このギャップは何を意味するのか。結局のところ、経済政策という一点において、誰が総理になろうとも自民党である限り、その本質は変わらないという冷めた視線があるのではないだろうか。

高市総理の発信力や理念に期待する声があることは理解できる。しかし、突きつけられたデータはあまりに残酷だ。11月の実質賃金は前年同月比で2.8%の減少。これで11ヶ月連続のマイナスである。政府が掲げる「責任ある積極財政」という言葉とは裏腹に、国民の貧困化は確実に進行しているといえる。

止まらぬ実質賃金の低下とスタグフレーション

厚生労働省の発表によれば、名目賃金こそ僅かに増加しているものの、物価上昇のスピードには到底追いついていない。ボーナスの減少も響き、家計は厳しさを増すばかりだ。11ヶ月連続のマイナスという事実は、もはや一時的な要因ではなく、構造的な「人災」と呼ぶべきレベルに達している。

にもかかわらず、政府は利上げによる引き締め政策を進めている。コストプッシュ型の悪いインフレ下での利上げは、景気をさらに冷え込ませ、不況の中で物価だけが上がる「スタグフレーション」を招く危険性が極めて高い。データが警告を発しているにもかかわらず、その路線修正の兆しは見えないままである。

経済界へのアピールと国民の不在

年明け、高市総理は経済3団体の新年会で「税率を上げずとも税収が増える姿を目指す」と高らかに宣言した。企業トップたちに対し「一緒に戦ってください」と呼びかけたその姿は、かつての岸田政権同様、国民の方ではなく大企業の方を向いているように映る。

実質賃金がマイナスの状況で、自然増収による税収アップを目指すということは、国民生活がさらに圧迫されることを意味しかねない。「強い経済」というスローガンは美しいが、その裏で割を食うのは常に一般庶民である。

「賃上げ」の矛盾と限界

政権は「賃上げ」を最重要課題としているが、ここにも大きな矛盾がある。企業に対し賃上げを要請する一方で、その最大の阻害要因である消費税には一切手をつけようとしないからだ。消費税は実質的に「賃上げ妨害税」として機能してしまっている。

「事業者に丸投げはしない」と言葉では寄り添う姿勢を見せても、具体的な減税策やガソリン税のトリガー条項凍結解除など、即効性のある対策はことごとく見送られている。国民の手取りを増やすための本質的な改革が行われない限り、この経済の閉塞感を打破することは不可能に近いだろう。

スポンサーリンク
ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
スポンサーリンク
記事URLをコピーしました