政治・経済

高市政権の変節。消費税減税なき「賃上げ」という欺瞞

taka

期待から失望へ変わった2025年

2025年の終わりにあたり、高市政権の歩みを冷静に振り返る必要があるだろう。発足当初の熱狂的な期待は、度重なる方針転換によって急速に冷え込んだと言わざるを得ない。特に、総裁選前に声高に叫んでいた「食料品の消費税ゼロ」という公約を、首相就任後にあっさりと撤回した時点で、その本質は見えていたのかもしれない。結局のところ、従来の自民党政治と何ら変わらない姿がそこにはあった。

「お米券」と「お願い」だけの経済対策

首相は経団連に対し「物価に負けない賃上げ」を要請したが、これは岸田政権の完全な焼き直しである。政府がやるべきは民間への「お願い」ではなく、企業が自発的に賃上げできる環境を法整備で整えることだ。しかし、実際に出てくる策といえば、お米券の配布といった利権の匂いがする対症療法ばかりである。現金給付であればコストもかからず自由度も高いものを、わざわざ特定の業界が潤う仕組みにする。国民生活よりも「中抜き構造」を温存する姿勢に、真摯な配慮は感じられない。

「税率は上げない」という言葉の罠

さらに欺瞞に満ちているのが、「税率を上げずに税収を増やす」という言葉だ。確かに所得税率などの数字は据え置きかもしれない。しかし、社会保険料の引き上げや子ども・子育て支援金の徴収、インボイス制度による実質増税など、国民の財布から抜かれる金額は確実に増えている。これらは実質的な「増税」に他ならない。経済成長による自然増収を目指すと言いながら、実際にはステルス増税で国民の可処分所得を削り続けているのが現実である。

消費税こそが「賃上げ」を阻む壁

何より致命的なのは、消費税が構造的に「賃上げ妨害税」であるという事実を無視している点だ。法人税は利益にかかるため、人件費を増やして利益を圧縮すれば節税効果が働く。しかし消費税は、人件費を含む「付加価値」そのものにかかる税だ。つまり、企業が賃上げをしようとすれば、その分だけ消費税の納税義務も増える仕組みになっている。

国会でこの構造的欠陥を指摘されても、政府は「当たらない」と頑なに否定し続けている。消費税減税というアクセルを踏まずに、口先だけで賃上げを叫ぶ。これでは実質賃金の低下が止まらないのも道理である。高市政権がこの矛盾に向き合い、消費税というブレーキを外さない限り、日本経済の本格的な回復は永遠に訪れないだろう。

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ABOUT ME
TAKA
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理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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