消費税ゼロはなぜ6月決着?骨太の方針と真の狙い
食品の消費税ゼロ、なぜ6月決着なのか
食料品の消費税を8%から0%へ引き下げる案について、「国民会議」の場を通じて与野党で議論し、6月をめどに結論を出すという方針が示された。これに対し、世間では「なぜ今すぐ国会で決めないのか」「6月まで待つのは遅すぎる」といった不満の声が少なからず上がっている。感情的に反発する気持ちも理解できるが、政治のスケジュールの観点から見ると、この「6月」というタイミングには、極めて重要な意味が込められているといえるのだ。
6月に控える「骨太の方針」という大舞台
6月は、政府の「経済財政運営と改革の基本方針」、いわゆる「骨太の方針」が策定される極めて重要な月である。現在、日本の財政運営は、前政権が強引に残した「プライマリーバランス黒字化」という、極めて硬直的で制約の多い目標にいまだ縛られている状態だ。この古いガラパゴス的なルールのままでは、大規模な減税や大胆な財政出動を実行することは難しい。高市総理は、この6月のタイミングに合わせて、足かせとなっている財政方針を根底から覆そうとしているのである。
責任ある積極財政へのパラダイムシフト
高市政権が真に目指しているのは、「責任ある積極財政」という考え方に基づき、強い経済と豊かな日本列島を創り上げるパラダイムシフトである。6月の骨太の方針でこの歴史的な大転換が実現すれば、そこから先は様々な投資の拡大や減税が、正式な政府の方針として実行可能になる。つまり、消費税ゼロに向けた国民会議の議論は、時間稼ぎなどではなく、新たな財政の枠組みづくりと同時並行で進められている、極めて戦略的かつ緻密な準備プロセスなのだ。
批判の裏に隠された堅実な政治戦略
少数与党であった昨年の経緯を踏まえ、与野党で丁寧な議論を重ねるという姿勢は、強引な手法を避ける高市総理の堅実さの表れでもある。6月という時期は、責任ある積極財政を掲げる政権が、その本領をいよいよ発揮するための舞台が整う瞬間なのだ。「遅すぎる」と批判する声は、こうした国家運営の深謀遠慮を理解していない証拠ともいえるだろう。目先のスケジュールに一喜一憂するのではなく、着々と進められる政策の全体像を、私たちは冷静かつ確かな目で見守るべきである。
