政治・経済

「善意」が国を滅ぼす:3党合意と増税の裏側

taka

「3党合意」という名の悲劇

2012年6月、日本の運命を決定づける政治的合意がなされた。民主党、自民党、公明党による「3党合意」だ。これにより、消費税を8%、そして10%へと引き上げる既定路線が敷かれた。 なぜ、政敵同士が手を結んだのか。それは彼らが全員、ある強力な「物語」を信じ込まされていたからだ。「財政再建には増税しかない」「次世代にツケを回してはいけない」。 財務省が長年かけて流し続けたこのプロパガンダは、政治家たちの正義感を巧みに刺激した。「選挙で不利になろうとも、嫌われ役を買って出てでも増税するのが、責任ある政治家の姿だ」。そんな歪んだ美学が、彼らを支配していたのである。

「正義と真心」の罪深さ

当時の野田佳彦首相は「これを成し遂げたら職を辞してもいい」と語り、実際に解散総選挙に打って出た。彼に悪意はなかっただろう。むしろ、「国のために自らを犠牲にした」という自負さえあったに違いない。 石破茂氏もまた、「正義と真心を持って真実を語れば、国民は分かってくれる」と繰り返す。彼らの言う「真実」とは、財務省が教え込んだ「増税不可避論」のことだ。 ここにあるのは、悪意ある陰謀ではない。もっと始末が悪い「善意の暴走」だ。「自分は正しいことをしている」と信じている人間ほど、間違いに気づかず、ブレーキを踏むことができない。その純粋な正義感が、経済という生き物を窒息させていく。

騙された安倍政権と国民の疲弊

2014年、第二次安倍政権下で消費税は5%から8%へ引き上げられた。 当時、景気はアベノミクスで回復基調にあった。「今の日本なら増税の衝撃にも耐えられる」。周囲の御用学者たちのそんな言葉を信じ、安倍首相は増税に踏み切った。 結果はどうだったか。景気は瞬く間に失速し、デフレ脱却の腰は折られた。「話が違うじゃないか」。そう悔やんでも後の祭りだ。だからこそ、安倍氏は10%への増税を二度も延期し、抵抗を試みた。しかし、最後は政権を揺るがすスキャンダルなどで外堀を埋められ、増税をのまざるを得なかった。

駆け込む力すら失った日本

8%増税の時は、まだ「駆け込み需要」があった。増税前にモノを買う余力が、国民には残っていたのだ。 だが、2019年の10%増税時には、その駆け込み需要すら極めて小さかった。なぜか。国民にはもう、事前にまとめ買いをするお金さえ残っていなかったからだ。 「消費税を上げなければ社会保障が守れない」という言葉に、我々もまた「しょうがない」と思わされてきた。だが、その結果残ったのは、買う力を失い、貧しくなった日本の姿だけだ。善意で舗装された道が地獄へ続いていたことを、我々は直視しなければならない。

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ABOUT ME
TAKA
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理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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