悩みの9割は「仕分け」で消える。解決できない問題を追いかけるのはもうやめよう。
「借金があって苦しい」 「部下が言うことを聞かない」 「過去の失敗を思い出して落ち込む」
私たちは日々、大小様々な問題に直面しますが、これらをすべてごちゃ混ぜにして「ああ、もうダメだ!」とパニックになっていませんか?
実は、複雑に見える人生の問題も、冷静に見れば**「たった3つの種類」**に分類できます。そして、種類さえわかれば、それぞれに「必勝パターン」が存在するのです。
この記事では、『7つの習慣』で紹介されている「問題の3分類」と、その具体的な解決策について解説します。 理学療法士として患者さんの治療計画を立てる際も、まずは「治るもの」「治らないもの」「工夫が必要なもの」に仕分けることから始めます。これをするだけで、不安は驚くほど軽くなります。
結論をお伝えします。どんな難問であっても、解決のスイッチは必ず「あなたの手元(影響の輪)」にあるのです。
すべての悩みは「3つの箱」に仕分けできる
コヴィー博士は、私たちが直面する問題は以下の3つのどれかに当てはまると言います。まずはあなたの悩みがどれなのか、仕分けてみましょう。
1. 直接的にコントロールできる問題(自分のこと)
これは、**「自分の行動」**に関わる問題です。 (例:朝起きられない、勉強不足、食べ過ぎ、部屋が汚い)
これは一番シンプルです。解決策は**「自分の習慣を変えること」**。 誰の許可もいりません。あなたが「やる」と決めれば、今日から解決に向かいます。
2. 間接的にコントロールできる問題(他人のこと)
これは、**「他者の行動」**に関わる問題です。 (例:子供が勉強しない、上司が理不尽、部下のやる気がない)
これは直接命令して変えることはできません(前回お話しした通りです)。 解決策は**「影響を及ぼす方法を変えること」**です。 ガミガミ言うのをやめて話を聞く、論理的に説得する、あるいは自分が手本を見せる。アプローチを変えることで、間接的に解決を目指します。
3. コントロールできない問題(過去・現実)
これは、**「過去の出来事や動かせない現実」**です。 (例:生まれつきの容姿、天候、景気、過去の失敗、他人の過去)
これに対する解決策はただ一つ。**「自分の態度(見方)を変えること」**です。 変えられないことを嘆くのではなく、それをどう受け止め、どう生きていくか。笑顔で受け入れるのか、教訓にするのか。心の態度は自由に変えられます。
解決策はすべて「自分」の中にある
3つの分類を見て気づくことはありませんか? そう、どの問題であっても、スタート地点は**「自分(影響の輪)」**にあるということです。
「解決策はすべて、自分の影響の輪の中にあるのだ」
- 直接的問題 → 自分の習慣を変える
- 間接的問題 → 自分の影響力を高める
- 不能な問題 → 自分の態度を変える
「あいつが悪い(他人)」、「社会が悪い(環境)」と言っているうちは、解決策はゼロです。しかし、主語を「自分」に変えた瞬間、すべての問題に対して打つ手が見つかります。
最初の一歩を踏み出すのは「あなた」しかいない
リハビリの現場でも、この分類は重要です。
- 直接:筋トレをする(自分が頑張る)
- 間接:家族に介助をお願いする(頼み方を工夫する)
- 不能:麻痺は治らない(受け入れて、車椅子で楽しむ方法を探す)
どのパターンの患者さんであっても、共通しているのは**「よし、やってみよう」と本人が第一歩を踏み出さなければ、何も始まらない**ということです。
「どんな問題でも、それを解決する第一歩は私たち自身が踏み出さなくてはならない」
魔法使いが来て解決してくれることはありません。しかし、あなたが「影響の輪」の中で小さな一歩を踏み出せば、それは波紋のように広がり、やがて大きな変化を引き起こします。
まとめ・アクションプラン
今回の記事のポイントは以下の3点です。
- 問題は「直接(自分)」「間接(他人)」「不能(過去・現実)」の3つに分類できる。
- どれに分類されても、解決策(習慣・影響法・態度)は必ず自分の手元にある。
- 他人も環境も変えられないが、「最初の一歩」を踏み出す自分だけは変えられる。
「どうしよう…」と迷ったら、まずは「これはどの箱の問題かな?」と仕分けるクセをつけてください。仕分け作業が終わる頃には、やるべきことが見えているはずです。
Next Action:悩みの棚卸しワーク
今一番気になっている悩みを一つ書き出し、それが3つのうちどれに当たるか考えてみましょう。
- もし「間接的(他人)」なら:相手を変えようとするのではなく、アプローチ(伝え方)を変えてみましょう。
- もし「不能(過去)」なら:その経験から学べたことは何か?と意味づけを変えてみましょう。
この「問題解決の思考プロセス」をさらに詳しく学びたい方は、**『7つの習慣』**を熟読することをおすすめします。人生のあらゆる難問に対する「処方箋」が見つかるはずです。
