「時間がない」は言い訳でした。1日24時間を30時間にするような幻想を捨てなさい
「また今日も、予定していたタスクが終わらなかった……」 「効率化のアプリや手帳を使っているのに、なぜか忙しさが消えない」
そんなふうに、追われるような毎日を過ごしてお悩みではありませんか? もっと時間をうまく使おうと、睡眠時間を削ったり、隙間時間を詰め込んだりして、疲弊していませんか?
実は、その努力の方向性が少しズレているかもしれません。 はっきり申し上げます。「時間管理(タイム・マネジメント)」なんてものは、この世に存在しません。
この記事では、世界的ベストセラー『7つの習慣』で語られる、**「時間管理の嘘」と「自己管理の真実」**について解説します。
医療の現場でも、「怪我の回復にかかる時間」そのものは管理できません。管理できるのは、その期間に「患者さんがどう過ごすか」だけです。 結論をお伝えします。 時計の針を動かそうとするのをやめて、**「自分自身の行動」**にフォーカスした瞬間、あなたの人生に本当のゆとりが生まれます。
「時間」は管理できない。管理できるのは「自分」だけ
そもそも、「時間を管理する」とはどういうことでしょうか? 時間を貯金したり、1日を26時間に増やしたりすることは、誰にもできません。 大統領でも、あなたでも、与えられたのは平等に「1日24時間」だけです。
流れる川を止めようとしていませんか?
時間は「川の流れ」のようなものです。 人間が川の流れ(時間)を止めたり、速くしたりすることは不可能です。 私たちにできるのは、**「その川に浮かぶ船(自分自身)をどう操縦するか」**だけです。
コヴィー博士はこう言いました。 「『時間管理』という言葉そのものが間違っている。問題は時間を管理することではなく、自分自身を管理することだからだ」
手帳に予定を詰め込むこと(時間の管理)に必死になるのではなく、その時間に何を選択するか(自分の管理)に意識を向けるべきなのです。
「時計」ではなく「羅針盤」を持て
多くの人は「時計(効率・スピード)」ばかり気にしています。 「いかに早くやるか」「いかに多くこなすか」。 しかし、もし間違った方向に全力疾走していたらどうでしょう? 早く到着すればするほど、ゴール(理想の人生)からは遠ざかってしまいます。
重要なのは、時計ではなく**「羅針盤(方向性・重要度)」**です。
第3の習慣「重要事項を優先する」
『7つの習慣』では、タスクを上の図のように4つの領域に分けています。 多くの人は、左側の「緊急なこと(締め切り、急な電話)」に振り回されて1日を終えます。これは「他人の都合」で生きている状態です。
自己管理ができる人は、右上の**「第2領域(緊急ではないが重要なこと)」**に時間を割きます。
- スキルアップの勉強
- 健康作り(リハビリや運動)
- 人間関係づくり
- 将来の計画
これらは、放っておいても誰も「やれ!」とは言いません。 だからこそ、自分で自分を管理(律する)して、無理やりにでも時間を確保する必要があるのです。
今日から「自分」を管理する3つのステップ
では、具体的にどうすれば「時間に追われる人」から「時間を操る人」になれるのでしょうか。
- 「ノー」と言う勇気を持つ 自分を管理するとは、断ることです。重要でない飲み会や、無意味な雑用に対して、勇気を持って「ノー」と言いましょう。
- スケジュールは「大きな石」から入れる 手帳には、細かい用事より先に「第2領域(自分の人生にとって大事なこと)」を先に書き込んでください。隙間時間にやろうとしても、永遠にその時間は来ません。
- 隙間を埋めない あえて「何もしない時間(余白)」を作ってください。心に余裕がないと、正しい判断(自己管理)ができなくなります。
まとめ・アクションプラン
今回の記事の要点をまとめます。
- 時間管理という言葉は間違いであり、時間をコントロールすることは不可能である。
- 管理すべきは**「自分自身」**。何に時間を使い、何を捨てるかという「選択」を管理すること。
- 効率(時計)よりも、**方向性(羅針盤)**を重視し、重要事項に命を燃やすことが本当の生産性である。
【Next Action:読者が次に取るべき行動】
今使っている手帳やスケジュールアプリを見てください。 そこには「他人との約束」ばかりが書かれていませんか?
もしそうなら、今すぐ**「自分との約束(読書、運動、家族との時間など)」**を赤ペンで書き込んでブロックしてください。 それが、あなたが「自分の人生の管理者」に戻るための第一歩です。
この「時間管理ではなく自己管理」という概念をシステム化したものが、コヴィー博士監修の**「フランクリン・プランナー」**という手帳です。 単なる予定表ではなく、人生を管理したい方は、ぜひチェックしてみてください。
