政治・経済

消費税は「預り金」ではない。法律と歴史が暴く残酷な正体

taka

会計の現場で感じた「違和感」の正体

かつて私が会計事務所の方と話していた頃から、常に抱いていた強い違和感がある。それは「消費税」というシステムの不可解さだ。 世間一般では、消費税は「消費者が負担し、店が一時的に預かって納める税金」だと信じられている。レシートに印字された税額を見れば、誰もがそう思うだろう。しかし、会計の実務現場から見える景色は全く異なる。赤字で苦しんでいる企業であっても、現金の残高が底をついていても、消費税だけは容赦なく徴収される。利益に対して課税される法人税とは異なり、この税金は企業の生存能力を無視して襲い掛かるのだ。この「理不尽さ」の根源はどこにあるのか。それは、消費税がそもそも「預り金」などではないという真実に突き当たる。

法律が否定した「預り金」説

確信を持って言えることがある。消費税は、消費者が店に預けているお金ではない。 実は、消費税法という法律のどこを探しても、「消費者が納税義務者である」という記述は存在しないのだ。法律に明記されているのは「納税義務者は事業者である」という事実のみである。 これは過去の裁判でも決着がついている話だ。1989年、サラリーマン新党などが国を訴えた裁判において、裁判所は「消費税は対価の一部であり、預り金ではない」という判決を下した。国側もこれを認め、判決は確定している。つまり、我々が支払っていると思っている消費税は、法的には単なる「商品価格の一部」であり、事業者の売上そのものなのだ。財務省や国税庁が「預り金的性格」という言葉を使うのは、国民に痛税感を与えないための巧妙なレトリックに過ぎないといえる。

雇用を破壊する税制の欠陥

この税制が抱える最大の問題は、雇用の現場を歪めてしまう点にある。 経営者の視点に立つと、恐ろしい計算式が成り立つ。正社員を雇って給料を払っても、その費用は消費税の計算上、控除の対象にならない。しかし、同じ仕事を派遣社員や外注先に切り替えれば、支払った消費税分を納税額から差し引くことができるのだ。これを「仕入税額控除」という。 つまり、正社員を解雇して非正規雇用や外注に切り替えることが、最も確実な節税策になってしまう。私が会計事務所にいた時も、経営者に「社員を辞めさせて契約社員にする」ことを勧めざるを得ない構造があった。消費税は単なる負担増だけでなく、日本の安定した雇用を破壊する装置として機能しているのである。

プロパガンダの先にある真実

輸出企業には「輸出還付金」として税金が戻ってくる一方で、赤字の中小企業は身銭を切って納税を強いられる。そして、「社会保障のため」という美名の下で、正規雇用が非正規へと置き換えられていく。 「消費税を廃止すれば社会保障が立ち行かなくなる」という声も聞くが、それこそが長く刷り込まれてきたプロパガンダではないだろうか。レシートの印字やポスターの標語に惑わされてはいけない。消費税とは、消費者が払う税ではなく、事業者に課せられた過酷な「第二法人税」であり、売上税そのものなのだ。この構造的な欠陥を直視しない限り、経済の再生も、雇用の安定もあり得ないといえるだろう。

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ABOUT ME
TAKA
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理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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