政治・経済

『国の借金・破綻論の嘘と日本経済の真実』

taka

「財政破綻」という亡霊の正体

かつて頻繁に耳にした「日本は国の借金で破綻する」という言葉。最近では、面と向かってそう主張する人は随分と減ったように思える。それも当然の帰結と言えるだろう。なぜなら、事実として日本の長期債務残高は、1970年度と比較して実に185倍にも膨れ上がっているからである。もし借金の額だけで国が破綻するというのなら、日本はとうの昔に崩壊していなければならない。しかし、現実はどうだろうか。金利は低位で安定し、経済活動は今日も続いている。この厳然たる事実を前に、破綻論者たちはどう説明をつけるつもりなのだろうか。

日本銀行の役割と「買いオペ」の機能

ここで見落とされがちなのが、中央銀行である日本銀行の役割である。日銀には物価の安定だけでなく、「国民経済の健全な発展」に資するという重要な任務がある。一部には「日銀は金利上昇に対して無策である」かのような、奇妙な前提を置く議論が存在するが、これは制度への無理解と言わざるを得ない。

仮に国債の金利が急騰するような局面があれば、日銀は当然、「買いオペレーション」を行う。つまり、日銀が国債を買い取ることで市場に資金を供給し、金利をコントロールするのである。これは植田総裁も明言している通り、中央銀行として極めて標準的かつ当たり前の実務に過ぎない。政府が日銀の人事権を持っている以上、両者が連携して経済を守るのは必然の構造なのである。

「自国通貨建て」という最強の盾

そもそも、日本が財政破綻しない最大の理由は、発行している国債がすべて「自国通貨建て」、すなわち「円」で発行されている点にある。自国で通貨を発行できる政府が、自国の通貨で返済不能、つまりデフォルトに陥ることは論理的にあり得ない。

こう指摘すると、決まって返ってくるのが「日銀が国債を買えばハイパーインフレになる」「円安が進んで輸入物価が高騰し、生活が苦しくなる」という反論である。しかし、冷静にデータを見てほしい。輸入物価指数や為替の変動が、国内の物価全体を破滅させるほどのインフレを引き起こしているだろうか。実際には、コストプッシュ型の物価上昇はあっても、制御不能なインフレとは程遠いのが現実である。

「思考停止」からの脱却

結局のところ、悲観的な論者の根底にあるのは、「日本はこれ以上、新規国債を発行してはならない」という、誤った固定観念である。まず「発行できない」という結論ありきで、その前提を守るために現実を歪めて解釈しているに過ぎない。

自分にとって都合の良い妄想の中に逃げ込むのは容易である。しかし、それは思考の放棄に他ならない。重要なのは、誰かの受け売りではなく、公開されているデータと経済の仕組みを、自らの頭で冷静に分析することである。歪んだ前提に縛られたままでは、変化する時代の本質を見抜くことはできない。我々は今こそ、感情的な煽りを排し、事実に基づいた論理で未来を考えるべき時を迎えていると言えるだろう。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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