政治・経済

正社員を雇うと罰金?消費税が隠す「残酷な格差」

taka

輸出大企業が笑い、国内企業が泣く理由

経団連が「法人税を下げて、消費税を上げろ」と繰り返す理由をご存知だろうか。 一般庶民からすれば理解に苦しむ主張だが、彼らにとっては極めて合理的な話だ。輸出中心の大企業にとって、消費税は「払うもの」ではなく「戻ってくるもの」だからである。輸出還付金という制度により、海外で売った分については、仕入れにかかった消費税が国から現金でキャッシュバックされる。つまり、消費税率が上がれば上がるほど、彼らが受け取る還付金も増える仕組みなのだ。 一方で、その割を食うのは、国内で地道に商売をしている企業たちだ。特に「人を大切にする会社」ほど、この税制の餌食になってしまう。

「正社員」というだけで倍の税金

具体的な事例で考えてみよう。ここに売上も経費も全く同じ規模の二つの会社がある。 A社は、従業員をすべて「正社員」として雇っている会社。 C社は、従業員を置かず、全員「派遣社員」で賄っている会社だ。 驚くべきことに、同じ利益を出していても、A社が払う消費税はC社の倍近くになることがある。なぜか。正社員への給料は消費税の計算上、控除できないが、派遣会社への支払いは「外注費」として全額控除できるからだ。 「税金を安くしたければ、正社員をクビにして派遣に切り替えろ」。消費税法は、経営者にそう無言の圧力をかけているといえる。

赤字でも「徴収」されるか「還付」されるか

さらに残酷な格差が露呈するのは、会社が経営危機に陥り、大赤字を出した時だ。 正社員を抱えるA社は、どれだけ赤字でも消費税を払わなければならない。「赤字で現金がない」と言っても容赦はなく、納税のために銀行から借金をするという、本末転倒な事態に追い込まれる。 ところが、派遣社員ばかりのC社は違う。同じ条件で赤字になった場合、C社には消費税が「還付」され、国から100万円単位の現金が戻ってくるケースがあるのだ。 同じ赤字企業でありながら、片や追い打ちをかけられ、片や救済される。この決定的な差は、ただ「正社員を雇っているかどうか」だけで決まるのである。

国が描く「雇用の破壊」

真面目に正社員を雇用し、社会保障を支えている企業が罰せられ、雇用責任を外部化した企業が報われる。 これが「公平・中立」を謳う消費税の正体だ。 この歪んだ構造を見れば、国が意図的に正規雇用を減らし、非正規化を進めようとしていることは明白だろう。私たちが「仕方のない税金」だと思わされているものの裏側には、働く人の安定を根本から破壊する、冷徹な計算が働いているといえるのではないだろうか。

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ABOUT ME
TAKA
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理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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