「何を持っているか」より「どう活かすか」──心理学が教える、自分の可能性を広げる考え方

「何を与えられたか」よりも、「どう生かすか」

私たちはつい、自分の才能・環境・容姿・性格など、**「持っているもの」に意識を向けがちです。
しかし、心理学的には本当に重要なのは、「与えられたものをどう使うか」**という視点です。

たとえば、

• 頭の回転が早い人でも、それを他人を批判するために使えば孤立を招く。
• 慎重な性格も、リスクを恐れすぎれば行動できないが、計画性として活かせば大きな強みになる。

つまり、どんな性質も「長所にも短所にもなる」ものであり、
価値を決めるのは“使い方”そのものなのです。

「ないもの探し」より「あるもの活かし」へ

多くの人は、自分に足りないものを探すのが習慣になっています。
「あの人のように話せたら」「もっと社交的だったら」と、他人の持ち物と比べる。

しかし、それはいつまでも“他人の人生”を生きることに近い。

心理学者アルフレッド・アドラーはこう述べています。

「人は何を与えられたかではなく、与えられたものをどう使うかで決まる」

この言葉の本質は、自分にないものではなく、今ある資源をどう動かすかという主体的な生き方にあります。

「生かす」とは、“欠点を長所に変える”ことでもある

「与えられたものを生かす」と聞くと、“才能を磨く”というイメージを持つ人も多いでしょう。
しかし、心理学的に見ると、それだけではありません。

“生かす”とは、欠点を状況によって長所として使う力でもあります。

たとえば——

• 「心配性」な人は、危険を予測してトラブルを防ぐ力がある。
• 「優柔不断」な人は、複数の視点を大切にできる。
• 「飽きっぽい」人は、新しい挑戦を楽しむ柔軟さがある。

どんな性格にも「裏と表」があり、見方を変えればすべてが資源になります。
つまり、“欠点を受け入れること”こそが、その人の強さを開く第一歩なのです。

与えられた環境も「資源」にできる

環境もまた「与えられたもの」です。
生まれた家庭、職場の上司、人間関係、経済状況——これらを自分で選ぶことはできません。

けれど、それらをどう解釈し、どう使うかは選べます。

• 厳しい環境は「耐える場」ではなく、「鍛えられる場」として使える。
• 過去の苦労は「重荷」ではなく、「他人を理解する力」に変えられる。

このように、どんな環境も自分の糧に変える選択ができると、
人生の「不公平さ」は“意味のある個性”に変わっていきます。

自分の「資源」に気づく3つのステップ

1. 自分の特徴を“評価”ではなく“資源”として見る
   　長所・短所というラベルを外し、「これはどんな場面で活かせるだろう？」と考えてみましょう。
2. 比較ではなく、活用を基準に考える
   　「もっと持っていれば」ではなく、「今の自分にできることは？」と視点を変える。
3. 使うことで磨く
   　才能は、使うほど洗練されます。
   　完璧を待たずに、小さく活かし始めることが、成長の最短ルートです。

まとめ：「持っているか」ではなく「どう使うか」で人生は変わる

人は、与えられた性格・能力・環境を自由に選ぶことはできません。
しかし、それをどう生かすかは、いつでも自分で決められます。

“欠けているもの”を嘆くより、“与えられたもの”を使いこなす。
その視点を持つとき、人生は「足りないものの連続」から、「可能性の連続」へと変わります。

与えられたものをどう生かすか——
それが、その人の生き方を決める“真の才能”なのです。

TAKA

理学療法士/ビール

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理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。