高市早苗総裁誕生で揺らぐ政局:連立はあり得るか、減税はどこまで進むか
高市早苗氏が自民党総裁になったことを受け、今後の政界再編や政策動向について、整理して見通してみましょう。
首班指名選挙を突破する鍵は「閣外協力」か
高市氏が総理候補として首班指名選挙を乗り切るには、自民党単独では過半数を確保できない状況を想定せねばなりません。そこで考えられるのが、国民民主党との「閣外協力」関係です。「連立」ではなくあくまで閣外協力とする理由には、参議院選挙後の小選挙区の区割り調整問題が背景にあります。
国民民主党が勢いを持ちつつある状態で、自公との選挙区調整に組み込まれるのは、政党としての独自性が失われるリスクがあるでしょう。 “第二の公明党化”を意図的に避けたいという思惑も働くはずです。
こうなると、実質的には 少数与党政権 の形をとらざるを得ない可能性があります。
公明党との関係:連立否定の予感
公明党の斉藤代表は9月7日に「私たちの中道保守という理念に合う相手でなければ連立はできない」と明言しています。
「中道保守という理念」は公明党が自ら掲げるスタンスですが、これが高市氏を想定した言及である可能性は否定できません。
たとえ立場が近づいたとしても、公明党が“理念不一致”を理由に連立を拒む構図も見えてきそうです。
支持率・メディア、財務省との対立
高市氏が総裁になると、マスメディアからの批判が一斉に向かう可能性が高いです。これによって支持率が伸び悩むシナリオが考えられます。
また、財務省から見れば彼女は「緊縮財政路線を否定する存在」として位置づけられ、対立軸になるかもしれません。
こうした構図は、政権運営を不安定なものにする要因となるでしょう。
次期総選挙での見通し
藤井聡氏の調査では、次の総選挙で自民・公明が過半数を回復する可能性が指摘されています。ただし、これは 公明党がそのまま連立関係に踏みとどまった場合 に限られます。
公明党が離脱または連立関係を変えるなら、この予測は大きく変わるでしょう。
減税・可処分所得増加のインパクト
高市政権下では、所得税の基礎控除引き上げやガソリン税の暫定税率の廃止が一気に進む可能性があります。これが実現すれば、国民が「減税の実感」を得ることになるでしょう。
可処分所得が増え、手取りが増える。
そして、減税をやっても税収が極端に落ちず、名目GDPが上がるなら、「財政危機論」や「緊縮財政の絶対性」が揺らぐことになります。
これにより、緊縮派政治家の影響力が低下し、財務省の威信も揺らぐかもしれません。最終的には、消費税減税へと政策転換する余地も出てきます。
野党・第三勢力への影響
自民党の保守・積極財政派の支持を一部吸収した形になる国民民主や参政党は、戦略の見直しを迫られます。
彼らも「積極財政 × 保守路線」をより明確に打ち出す必要に迫られるかもしれません。
総選挙のタイミングは年内ではない可能性高
高市内閣が誕生しても、すぐに総選挙に打って出る可能性は低いと見ています。それにはいくつかの理由があります:
- メディアからの集中砲火で支持率が低迷する可能性
- 減税議論を政策として整える必要がある
- 国際対応、たとえばトランプ大統領などの外交日程との兼ね合い
ゆえに、年内総選挙は見送り、来年以降を視野に入れた慎重な政局運営が想定されます。
最後に、この新たな政局下では、国民民主党・参政党といった第三極も、より明確な「積極財政・保守」路線を打ち出して存在感を強めていく可能性があります。
この情報が皆さんのお役に立てば幸いです。
